JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW34] [EJ] 水循環・水環境

2017年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 201A (国際会議場 2F)

コンビーナ:林 武司(秋田大学教育文化学部)、Gusyev Maksym(International Centre for Water Hazard Risk Management, Public Works Research Institute)、長尾 誠也(金沢大学環日本海域環境研究センター)、町田 功(産業技術総合研究所地質調査総合センター)、飯田 真一(国立研究開発法人森林総合研究所森林研究部門森林防災研究領域水保全研究室)、座長:林 武司(秋田大学教育文化学部)、座長:飯田 真一(国立研究開発法人森林総合研究所)、座長:町田 功(産業技術総合研究所地質調査総合センター)、座長:長尾 誠也(金沢大学環日本海域環境研究センター)、座長:Gusyev Maksym (International Centre for Water Hazard Risk Management, Public Works Research Institute)

13:45 〜 14:00

[AHW34-12] 典型的な亜熱帯ダムにおける溶存CH4、CO2、N2Oの季節変化特徴ー中国南部の聯和ダムを例として

*楊 征倫1李 杏2唐 常源1張 焓1 (1.千葉大学園芸学研究科、2.中山大学環境科学与工程学院,中国)

キーワード:ダム、温室効果ガス、溶存ガス、季節変動、水温躍層

世界中に百万を超える数のダムが建設され、人々に様々な便利を与えている。 しかし最近の研究では、亜熱帯及び熱帯ダムは、温室効果ガス(GHGs)の発生源として挙げられている。 溶存GHGsの変化は、ダムからの放出プロセスを制御する為にとでも重要である。 水温躍層の有無に関わらず、N2O、CO2、CH4などの溶存ガスの発生・放出プロセスを理解するために、中国南部の典型的な亜熱帯ダムである聯和ダムを研究対象とした。 現地調査は、2014年9月、2015年1月、2015年6月、2015年9月の四回に分けてそれぞれDCO2(溶存CO2)、DCH4(溶解CH4)、DN2O(溶解N2O)等の溶存ガスを深度別に測定した。

ダムのオペレーターによって水位が25mから30mの間で変化する。水温躍層は夏に形成され、冬には解消する。したがって、夏季の溶存ガスの鉛直分布は冬とは異なる。夏場の水カラムのDO値は8.96mg / Lから0.15mg / Lに減少したが、冬季はほぼ均一的に7.41〜8.59mg / Lの範囲であった。夏季には、DCH4、DCO2およびDN2Oの濃度は0.49μg/ Lから795.10μg/ L、0.001mg / Lから1.32mg / Lおよび1.06μg/ Lから3.47μg/ Lの範囲であった。また、冬季のDCH4、DCO2、DN2Oの濃度は、それぞれ0.43μg/ Lから0.85μg/ L、0.81mg / Lから3.50mg / L、0.85μg/ Lから3.09μg/ Lに変化した。全体的に、溶存ガスの鉛直分布は、光合成作用およびそれらに関連する生物地球化学的プロセスによって影響される。光合成は、表層5m水深の層の中の溶存ガスを制御していることが分かった。夏季には、深度が深くなるにつれ利用可能な太陽光が弱くなり、藻類の呼吸や代謝活性によりCO2濃度が上昇した。そして、ダム底部におけるDCH4の濃度が最も高い。冬季になると、ダム底部は嫌気的環境から好気的環境へと変化した。.DOがにより補充され、メタンのCO2への酸化が促進されたからです。