[AHW36-P01] 大阪中心部の地下水の特徴について
キーワード:地下水、ボーリング、データベース、水質
大阪平野のうち上町台地より西側では、海水準変動の繰り返しに伴う複数の粘土層が層状に堆積し、粘土層間の砂礫層は豊富な地下水が賦存する被圧帯水層を形成している。一方で、1960年代の工場用水の大量汲み上げによって引き起こされた深刻な地盤沈下が原因となり、現在は揚水が厳しく規制されている。しかし昨今、特に大阪市内においては、再生熱エネルギーとしての地下水利用プロジェクトが推進されるなど、地下水の有効利用についての検討が進められている。
そこで、現時点での地下水の性状に関するバックグラウンドデータを取得することを目的として、大阪駅周辺から中之島付近において、既設の観測孔を用いた水位・水温・水質調査を実施した。今回対象とした帯水層は、完新統の粘土層(Ma13)の下位に分布する砂礫層(第1被圧帯水層:Dg1)と、最上位更新統の粘土層(Ma12)の下位に分布する砂礫層(第2被圧帯水層:Dg2)である。水質については、2016年6、9、11、2017年1月の計4回採水した地下水について主成分組成などの分析を実施した。その結果、Dg1、Dg2共に還元的でNa-Cl型の水質組成を示し、特にDg1の方がより塩濃度が高いことが明らかとなった。また、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した際に得られた細粒粒子の鉱物組成分析(XRD)を実施したところ、砕屑性粒子とともに非晶質の酸化鉄を含むことが判明した。地下水中に存在するこのような微粒子の存在量や鉱物組成は、将来的な地下水の有効利用法を模索してく中で重要な情報となる。
そこで、現時点での地下水の性状に関するバックグラウンドデータを取得することを目的として、大阪駅周辺から中之島付近において、既設の観測孔を用いた水位・水温・水質調査を実施した。今回対象とした帯水層は、完新統の粘土層(Ma13)の下位に分布する砂礫層(第1被圧帯水層:Dg1)と、最上位更新統の粘土層(Ma12)の下位に分布する砂礫層(第2被圧帯水層:Dg2)である。水質については、2016年6、9、11、2017年1月の計4回採水した地下水について主成分組成などの分析を実施した。その結果、Dg1、Dg2共に還元的でNa-Cl型の水質組成を示し、特にDg1の方がより塩濃度が高いことが明らかとなった。また、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した際に得られた細粒粒子の鉱物組成分析(XRD)を実施したところ、砕屑性粒子とともに非晶質の酸化鉄を含むことが判明した。地下水中に存在するこのような微粒子の存在量や鉱物組成は、将来的な地下水の有効利用法を模索してく中で重要な情報となる。