JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS13] [EE] 陸域海洋相互作用

2017年5月23日(火) 15:30 〜 17:00 302 (国際会議場 3F)

コンビーナ:山敷 庸亮(京都大学大学院総合生存学館)、升本 順夫(東京大学大学院理学系研究科)、Behera Swadhin(Climate Variation Predictability and Applicability Research Group, Application Laboratory, JAMSTEC, 3173-25 Showa-machi, Yokohama 236-0001)、宮澤 泰正(独立行政法人海洋研究開発機構)、座長:山敷 庸亮(京都大学大学院総合生存学館)、座長:木田 新一郎(九州大学応用力学研究所)

15:30 〜 15:50

[AOS13-07] 月面における水の可能性

★招待講演

*吉川 真1大竹 真紀子1春山 純一1 (1.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:water, Moon, exploration

月面は、望遠鏡や探査機による写真やアポロ宇宙飛行士による現地で撮影された写真を見る限り、からからに乾いた砂漠に見える。しかし、月面に水が存在するという具体的な証拠が月探査によって得られてきた。月面に水が存在するかどうかは、惑星科学の観点だけでなく月面基地など月利用の観点からも非常に興味深い問題である。本講演では、これまでの探査結果をレビューし、今後の探査における可能性について紹介する。

以前から月の極にある永久陰に氷が存在する可能性は指摘されてきたが、2008年にインドが打ち上げたチャンドラヤーン1号では、水分子またはヒドロキシ基によるスペクトル吸収を主に月極域で観測し、月面における水の存在を示した。また、2009年に米国が打ち上げたエルクロス探査機では、結合して飛行していったタンクを切り離して月面に衝突させ塵を巻き上げ、それを後ろから観測するというミッションで、水(ヒドロキシ基)の存在を確認したのである。ただし、水がどのような状態でどのくらい存在しているのかなど、まだよく分かっていないことが多い。

月の水の起源としては、内部に起源を求める説、水を含んだ小天体(小惑星・彗星)が衝突することでもたらされたという説、そして太陽風からの陽子が鉱物中の酸素に衝突することでできたという説がある。いずれにしても、月面における水の存在が示唆されていることを受けて、科学的にも将来の資源としても本格的に月面の水を調べようという探査の検討が国内外で進められており、今後の展開を期待したい。