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[AOS22-06] 西部熱帯太平洋における中層海洋変動
キーワード:中層海洋変動、西部熱帯太平洋、トライトンブイ、中層水
東経156度以西の西部熱帯太平洋における中層海洋(水深300m~750m)の変動をトライトンブイや気象庁のCTD観測データなどを用いて調べた。変動は西岸近くで大きく、特に季節変動が顕著であった。季節内変動も無視できず、特にニューギニア沿岸潜流が赤道潜流に反転する北緯2度東経138度付近で大きい。そこでは、その反転が不安定でニューギニア渦という時計回りの渦が形成されており、その渦が周りの渦と結合・分離を繰り返している。経年変動もENSOスケールのみならず、準10年変動スケールで750m深においても見られるが、海域全体で同じ符号の相関が中層海洋の温度変動とこれらの経年変動の間に見られるのではないことから、単純に暖水プールの東西移動によってもたらされているのではなく、赤道波に伴うサーモクラインの形状の変化によってもたらされていると考えられる。また、10年以上の減少トレンドも塩分変化に見られ、これは北太平洋中層水や南極中層水の経年変化に伴っていると考えられる。