JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS28] [JJ] 生物海洋学

2017年5月20日(土) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:齊藤 宏明(東京大学大気海洋研究所)、杉崎 宏哉(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所)

[AOS28-P03] 衛星観測で見る黒潮域の植物プランクトン群集サイズ組成と基礎生産

*平田 貴文1鈴木 光次1 (1.北海道大学地球環境科学研究院)

キーワード:黒潮、植物プランクトン、基礎生産、衛星、サイズ

新規に開発した衛星観測手法より得られた地球観測データを用いて、黒潮域を含む日本近海の植物プランクトン群集別のクロロフィルa現存量、光合成量子収率、一次生産速度、及び、細胞サイズを解析した。1998-2007年の月別気候値を解析した結果、黒潮域では、相対的にハプト藻類の現存量が多いことが示された。また、日本近海の珪藻類の一次生産速度の変動は、年間を通じて主に珪藻類の(クロロフィル量としての)現存量の変動を反映しているのに対し、藍藻類の一次生産速度の変動は、年間を通じて主に藍藻類の光合成量子収率を反映していることが示唆された。ハプト藻類の一次生産速度の変動は、ハプト藻類の現存量と光合成量子収率の双方に依存し、それぞれへの依存度は季節で大きく異なることが示唆された。さらに、黒潮流域の珪藻類・ハプト藻類・藍藻類の細胞サイズ分布とそれぞれの一次生産速度の年平均場を比較したところ、珪藻類の一次生産速度は最頻する細胞サイズで最も大きくなる傾向が見られたのに対し、ハプト藻類や藍藻類の一次生産速度は、最頻する細胞サイズで必ずしも最大ではない傾向にあることが示された。