JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS29] [EJ] 海洋と大気の波動・渦・循環力学

2017年5月23日(火) 09:00 〜 10:30 302 (国際会議場 3F)

コンビーナ:古恵 亮(APL/JAMSTEC)、久木 幸治(琉球大学理学部)、三寺 史夫(北海道大学低温科学研究所)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)、座長:三寺 史夫(北海道大学低温科学研究所)、座長:相木 秀則(名古屋大学)、座長:古恵 亮(APL/JAMSTEC)

09:30 〜 09:45

[AOS29-03] 渦からの自発的な慣性重力波の放射とその反作用 ~海洋のエネルギー収支の再考~

*杉本 憲彦1Plougonven Riwal2 (1.慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室、2.École polytechnique, Laboratoire de Météorologie Dynamique)

キーワード:慣性重力波、自発的放射、反作用

大気重力波(慣性重力波)は運動量を遠方まで輸送し, 中層大気の大循環を駆動する. 中層大気の大循環は物質輸送を通して, 気候に大きな影響を与える. このため, 重力波の励起, 伝播, 散逸の諸過程の解明は, 将来の気候変動予測の精度向上のためにも, 重要な研究課題の一つになっている.

ジェット気流等からの慣性重力波の放射は自発的な重力波放射過程と呼ばれる. 近年, ダイポールを用いた数値実験により, 放射過程についての理解が進展してきた. しかし, 重力波放射の反作用や解像度の依存性についての理解は十分でない.

本研究では, ダイポールからの重力波放射を再検討した. 重力波放射の反作用を調べるため, 長時間の数値実験を様々な水平解像度で行った. 重力波の振幅は水平解像度に比例し, 反作用はダイポールの運動エネルギーに現れた. 発表では, これまでの自発的放射の研究を簡単にレビューするとともに, 海洋のエネルギー収支の観点から中規模渦が自発的放射で失うエネルギーについての議論も行う.