JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS29] [EJ] 海洋と大気の波動・渦・循環力学

2017年5月23日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:古恵 亮(APL/JAMSTEC)、久木 幸治(琉球大学理学部)、三寺 史夫(北海道大学低温科学研究所)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)

[AOS29-P04] Bering Slope Currentとそれに伴う高気圧性渦の季節変動について

*三寺 史夫1平野 洋一2 (1.北海道大学低温科学研究所、2.北海道大学環境科学院)

キーワード:Bering Slope Current、渦、季節変動

Bering Slope Current(BSC)はベーリング海の大陸棚と海盆をつなぐ大陸斜面上を流れる海流である。BSCに沿って渦活動が活発であり、それが栄養物質の輸送に寄与することで、グリーンベルトと呼ばれる高生物生産海域を形成している。本研究では、海洋数値モデルの出力を用いて、BSCとそれに伴う高気圧性渦の季節変動について考察する。BSCの流速は、冬に大きく夏に小さい。この季節変動は、冬季(夏季)、アラスカンストリームに生じた等密度面の深化(浅化)が、アリューシャン列島の海峡を通る沿岸捕捉波(内部ケルビン波)として、BSCまで到達することによって生じる。さらに、これにより冬季にBSCの有効位置エネルギーが増加し、春季にかけて傾圧不安定が生じて渦が形成され、夏季まで成長が続くという、季節進行を見出した。これらは、衛星から観測されたBSCと渦の季節変動と整合的である。また、この等密度面の変動はアラスカ湾まで遡ることができ、アリューシャン低気圧の季節変動によりもたらされることが示された。