JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT04] [EJ] 化学合成生態系の進化をめぐって

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:ジェンキンズ ロバート(金沢大学理工研究域自然システム学系)、渡部 裕美(海洋研究開発機構)、延原 尊美(静岡大学教育学部理科教育講座地学教室)、間嶋 隆一(国立大学法人横浜国立大学教育人間科学部)

[BPT04-P08] 日本各地の貝殻内部の結晶形態と含有微量元素測定

*髙山 千尋1安井 万奈2萩谷 宏1 (1.東京都市大学、2.早稲田大学)

キーワード:生体鉱物、カルサイト、アラゴナイト、微量元素

貝殻やサンゴなどは炭酸カルシウムを主成分とする無機物質と少量の有機物質を含み炭酸カルシウムの形態としてはカルサイト・アラゴナイトの結晶構造を有している。本研究では日本各地10地点の海岸にて採集した貝殻の結晶形態の解析と含有微量元素測定を行い結晶形態と微量元素量の関係、微量元素【Ca,Na,P,Si,Sr,Zr,Y,Rb,S】の関係から貝殻中の無機元素について考察した。その結果、カルサイトの結晶構造にはアラゴナイトの結晶構造に比べPとSが多く含まれ、アラゴナイトの結晶構造にはカルサイトの結晶構造に比べSrとZrが多く含まれた。更に貝殻中のSrとZrの元素間には強い相関が見られ、貝殻以外の試料であるサンゴやフジツボではSr・Zrが更に高い値を示した。貝殻試料の全般で海水中の含有量に比べZrの元素は高い値を示し
海水組成の約106倍の高度な濃縮が見られた。Yにおいても他元素との相関は見られなかったものの海水組成に比べ約105倍の高度な濃縮が確認された。このような元素の濃縮から貝殻のバイオミネラルゼーションの未知領域を推察した。