[AAS11-P14] GOSAT/TANSO-FTS SWIRバンド、TIRバンド及びNICAM-TMの温室効果ガス気柱平均濃度データの比較解析
キーワード:GOSAT、XCO2、XCH4
GOSAT(Greenhouse gases Observing SATellite)は2009年1月23 日に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星であり、GOSAT搭載のTANSO-FTS(Thermal And Near infrared Sensor for carbon Observation – Fourier Transform Spectrometer)の熱赤外(TIR)バンドから二酸化炭素及びメタンの鉛直濃度分布が、短波長赤外(SWIR)バンドから気柱平均濃度XCO2及びXCH4が導出できる[Saitoh et al., 2009; Yoshida et al., 2011]。本研究では、GOSATのTIRバンドから導出された二酸化炭素及びメタンの鉛直濃度分布データ(Version 1)[Saitoh et al., 2016]からXCO2、XCH4を計算し、SWIRバンドのXCO2、XCH4データ(Version 2.21)及び大気輸送モデルNICAM-TM(Nonhydrostatic ICosahedral Atmospheric Model-based Transport Model)[Niwa et al., 2011]のXCO2データと比較し、それぞれのデータの特徴を調べた。なお、航空機観測データとの比較に基づいて評価されたTIRバンドの二酸化炭素データのバイアスを補正した上でXCO2を計算した。
TANSO-FTSのTIRバンドとSWIRバンドのXCO2データ、TANSO-FTSの濃度導出の際の先験情報(アプリオリ)であるNIES-TM05モデル[Saeki et al., 2013]のXCO2データ、NICAM-TMのXCO2データについて、濃度緯度分布の比較を行った。TIRバンドのXCO2は、サハラ砂漠地域を除く北半球陸域ではSWIRバンドのXCO2より若干小さく、逆に南半球陸域では若干高い傾向が見られた。サハラ砂漠地域においては、TIRバンドの昼間のXCO2データがSWIRバンド及びNICAM-TMのXCO2データよりも極端に低い値を取っていることから、昼間のTIRバンドのリトリーバル処理時に設定しているサハラ砂漠地域での地表面パラメータに問題があることが示唆された。一方、地上に強いソースがないハワイ周辺では、TIRバンドとSWIRバンドのXCO2データが1%以内で一致していた。
TANSO-FTSのTIRバンドとSWIRバンドのXCO2データ、TANSO-FTSの濃度導出の際の先験情報(アプリオリ)であるNIES-TM05モデル[Saeki et al., 2013]のXCO2データ、NICAM-TMのXCO2データについて、濃度緯度分布の比較を行った。TIRバンドのXCO2は、サハラ砂漠地域を除く北半球陸域ではSWIRバンドのXCO2より若干小さく、逆に南半球陸域では若干高い傾向が見られた。サハラ砂漠地域においては、TIRバンドの昼間のXCO2データがSWIRバンド及びNICAM-TMのXCO2データよりも極端に低い値を取っていることから、昼間のTIRバンドのリトリーバル処理時に設定しているサハラ砂漠地域での地表面パラメータに問題があることが示唆された。一方、地上に強いソースがないハワイ周辺では、TIRバンドとSWIRバンドのXCO2データが1%以内で一致していた。