JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE]Eveningポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気水圏科学複合領域・一般

[A-CG46] [EE] 衛星による地球環境観測

2017年5月20日(土) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[ACG46-P16] QUIKSCAT海上風による熱帯低気圧の平均循環場

*釜堀 弘隆1 (1.気象研究所)

キーワード:Tropical cyclone, Circulation, Sea surface wind

熱帯低気圧周辺の循環場の平均描像を環境場からの偏差として、衛星観測による海上風データを用いて熱帯低気圧活発海域(北西太平洋、北東太平洋、北大西洋、北インド洋、南インド洋、および南太平洋)別に評価した。すべての海域に共通な特徴として、熱帯低気圧中心から5度以内に集中した低気圧性の降渦度場が存在し、そのピークは1.5x10-4 s-1から2.0x10-4 s-1に達する。中心付近の渦度は北インド洋および南インド洋で最も大きく、南太平洋で最も小さい。渦度場の水平サイズに関しては、その半値半径が1.8〜2.4度であり、南太平洋で最も大きく、北東太平洋で最も小さい。発散場も同様な傾向を示しており、南太平洋で最も大きく、北東太平洋で最も小さい。すべての海域において、中心部の低気圧性渦度場の外側には高気圧性の渦度場が存在し、中心から十分遠方では対流活動が抑制されていることを示している。高気圧性の渦度は最大で1x10-5s-1に達し、おもに中心の赤道側に分布している。このような構造は、先行研究で得られた降水量場の構造と整合的である。