JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ]Eveningポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気水圏科学複合領域・一般

[A-CG53] [JJ] 気候変動への適応とその社会実装

2017年5月20日(土) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[ACG53-P03] 近未来気候変動予測データベースシステムの開発

*中川 友進1川原 慎太郎1荒木 文明1松岡 大祐1石川 洋一1渡邉 真吾1 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構)

キーワード:気候変動、リレーショナルデータベース

気候変動リスク情報創生プログラムの成果物である「地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース」(database for Policy Decision making for Future climate change; d4PDF)は総データ量が約2ペタバイトにもなる大規模シミュレーションデータである。d4PDFは「データ統合・解析システム」(Data Integration and Analysis System Program; DIAS)から公開されている。気候変動の確率的な影響予測を創出するためには、d4PDFの多数のアンサンブル実験の解析が必要である。しかし、ユーザーが手元にダウンロードして解析するにはデータ量が大きいため、必要なデータを絞り込んでダウンロードする機能が必要である。

「気候変動適応技術社会実装プログラム」(Social Implementation Program on Climate Change Adaptation Technology; SI-CAT)では、d4PDFのデータから高速かつ効率的に必要なデータを見付けるための「近未来気候変動予測データベースシステム」を開発している。近未来気候変動予測データベースシステムは、おおまかには、リレーショナルデータベース、データ提供機能、ユーザーインターフェースで構成される。近未来気候変動予測データベースシステムの核となるPostgreSQLを用いたリレーショナルデータベースは、d4PDFのデータを時間と空間で圧縮した情報が登録される予定である。これによりユーザーは必要とするデータがある時間と空間を絞り込むことができる。最初の段階として、SI-CATのメンバーからのニーズが多い降水量、気温、台風トラックデータについてリレーショナルデータベースの開発を進めている。Open-source Project for a Network Data Access Protocol(OPeNDAP)を用いたデータ提供機能は、絞り込んだ結果に基づき、時間と空間でDIASのデータを切り出してダウンロードするための機能である。これらの機能を簡易に使用するために、Webベースのユーザーインターフェースの開発も進めている。近未来気候変動予測データベースシステムは2017年度にDIASから公開する予定である。近未来気候変動予測データベースシステムで開発する技術は、シミュレーションや観測を問わず、他の分野の大規模データにおいても有用であると考えている。