[G03-P05] 防災教育のためのカードゲームの試作
キーワード:防災教育、カードゲーム
自然災害の多い昨今,小学校などでの災害安全に関する教育のさらなる充実化が必要とされている。しかしながら,防災のための取り組みとしては,避難訓練のほか,理科や社会の授業の中で少しだけ触れられる程度であることが多く,主に自然災害への安全教育が十分ではない面もあると考えられる。従って,日常生活において主体的で継続的に防災について考えさせる機会を作り出すことが必要であると考えた。そこで,本研究では,児童が休み時間等を使って遊びながら防災について考えることができるような場を作る試みのファーストステップとして,カードゲームを作成することとした。
まず,既存の「防災教育のためのゲーム」について概観し,特徴や問題点を考察した。そのゲームには,Web上でのものやカードゲームなども存在し,幅広い層を対象にしたものであった。それらの主な課題とみられる事項は,①身に付けさせようとする知識が「災害」に関する知識に偏っているものがある,②児童にとっては難易度が高いものがある,③曖昧な基準でゲームの進行が決まるものがある,④やや面白味に欠けるものがある,といった点などが挙げられた。
カードゲームを作成するにあたって,今回は上記の問題点を考慮しながら,サンプル版を作成した。基本形を2人用とし,将棋をイメージして,マス目上に互いに複数種類・数のカードを置き,動かしていくものとした。カードには,『人間カード(将棋の駒に相当)』『災害カード』『道具カード』の3種類を設定した。『人間カード』は,ゲーム開始時に自陣に並べるカードで,このカードを相手より先に全て自陣から避難所へ移動させることができたら勝ちとなる。また『災害カード』は,相手の人間カードの移動を妨げるものであり,『道具カード』は,相手の『災害カード』による効果を無効にし,自分の『人間カード』の移動を手助けるものである。それらは,災害や道具についてのコメントをつけた。このコメントは,ゲームを繰り返し行うことで,防災意識や防災に関する知識が身につくことが期待できるものである。
本研究では、学校の休み時間等を使って,日常の「遊び」の中で防災のことについて考える(触れる)機会を作り出せるようなカードゲームを試作した。しかしながら,問題点として挙げてもいる実践的な知識・技術を身に付けさせることができるかという点については,検討すべきことが多く,他者からの意見・コメントが必要である。今後,これらの課題を検討していくことで,より効果的な教材(カードゲーム)になると考えられる。
なお,この報告は,共著者の有村氏の平成28年度福岡教育大学卒業研究の成果の一部です。また,この研究は,JSPS科研費基盤研究(C)(課題番号:16K00971)の一部を活用いたしました。記して感謝いたします。
まず,既存の「防災教育のためのゲーム」について概観し,特徴や問題点を考察した。そのゲームには,Web上でのものやカードゲームなども存在し,幅広い層を対象にしたものであった。それらの主な課題とみられる事項は,①身に付けさせようとする知識が「災害」に関する知識に偏っているものがある,②児童にとっては難易度が高いものがある,③曖昧な基準でゲームの進行が決まるものがある,④やや面白味に欠けるものがある,といった点などが挙げられた。
カードゲームを作成するにあたって,今回は上記の問題点を考慮しながら,サンプル版を作成した。基本形を2人用とし,将棋をイメージして,マス目上に互いに複数種類・数のカードを置き,動かしていくものとした。カードには,『人間カード(将棋の駒に相当)』『災害カード』『道具カード』の3種類を設定した。『人間カード』は,ゲーム開始時に自陣に並べるカードで,このカードを相手より先に全て自陣から避難所へ移動させることができたら勝ちとなる。また『災害カード』は,相手の人間カードの移動を妨げるものであり,『道具カード』は,相手の『災害カード』による効果を無効にし,自分の『人間カード』の移動を手助けるものである。それらは,災害や道具についてのコメントをつけた。このコメントは,ゲームを繰り返し行うことで,防災意識や防災に関する知識が身につくことが期待できるものである。
本研究では、学校の休み時間等を使って,日常の「遊び」の中で防災のことについて考える(触れる)機会を作り出せるようなカードゲームを試作した。しかしながら,問題点として挙げてもいる実践的な知識・技術を身に付けさせることができるかという点については,検討すべきことが多く,他者からの意見・コメントが必要である。今後,これらの課題を検討していくことで,より効果的な教材(カードゲーム)になると考えられる。
なお,この報告は,共著者の有村氏の平成28年度福岡教育大学卒業研究の成果の一部です。また,この研究は,JSPS科研費基盤研究(C)(課題番号:16K00971)の一部を活用いたしました。記して感謝いたします。