[HCG36-P04] アリューシャン列島アダック島ハベン湖周辺の植生変遷
キーワード:テフラ、花粉分析、植生変遷、泥炭堆積物、木炭片
アダック島(アリューシャン列島中央部)の植生変化を調べるため,ハベン湖で採取されたコア試料(ADK13083002)で花粉分析を行った。コア試料には40 Years(0.4 cal kBP),YBO(3.6 cal kBP),Sandwich(4.7 cal kBP),Intermediate(7.2 cal kBP),Main(9.5 cal kBP),Gritty(10 cal kBP)の6層のテフラが見られた。花粉分析の結果,堆積物には4つの花粉帯(上層からHL-1~4)が認められた。HL-1はキンポウゲ科(Ranunclaceae)とガンコウラン属(Empetrum)が優占していた。HL-2はイネ科(Poaseae),キンポウゲ科,ガンコウラン属が優占していた。HL-3はイネ科,ガンコウラン属が優占していた。HL-4はイネ科,カヤツリグサ科(Cyperaceae),ガンコウラン属,ヒカゲノカズラ科(Lycopodiaceae)が優占していた。また,木炭片がMainテフラ直下で少し増加し,Intermediateテフラ直上で大きく増加したことから,アレウト族が定住を始めたのは約9,500年前であると考えられる。