JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE]Eveningポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS12] [EE] Tsunami disaster mitigation

2017年5月25日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[HDS12-P08] 沖合と海岸での津波高の関係式を適用するための補正

*林 豊1山本 剛靖1 (1.気象研究所)

キーワード:Green's law, offshore tsunami, tsunami amplification factor, tsunami forecast

海岸での津波の高さの予測する際に、海域のある場所での津波の高さの予測に、沿岸での増幅率の見積もりを掛ける方法がよく用いられている。シナリオ型の津波データベースに基づいた津波予測では、海岸での津波を厳密に計算する代わりに、計算コストが低い津波数値計算で海岸での津波の高さを概算するための方法として広く採用されている。また、沖合で観測された津波からリアルタイムに簡易に海岸での津波のハザードを評価した津波予測の更新にも、この考え方が利用されている。沿岸での津波高の増幅率を見積れる式には、水路幅の効果の項を無視したグリーンの法則などの理論式、沖合と海岸での津波の実測値または数値実験から導かれた経験式が挙げられる。基準とした海域の場所は、海岸からの反射波による重合波の影響で節や腹になる場合や、屈折により波線密度が周辺と異なりグリーンの法則における水路幅の効果が大きくあり、空間平均的な津波の高さを代表していない場合もある。長波とその不完全反射の重ね合わせから、最大振幅の補正としてH*=((Hmax2+(h/g)*Vmax2)/2)1/2を定義した。ここで、Hmax, Vmax, hはそれぞれ、サンプリング点での最大振幅・最大流速・水深であり、gは重力加速度。沖合と海岸での津波の関係式を適用するにあたって、Hmaxの代わりにH*を用いると、H*がHmaxの一波長分の平均に等しいため、サンプリング点の位置によって受ける影響を軽減できる。