JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ]Eveningポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT26] [JJ] 浅層物理探査

2017年5月24日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[HTT26-P02] 干渉SAR解析を用いた白山南西斜面の地表変動量の推定と地すべりブロックの特定

*藤井 幸泰1石塚 師也2金子 誠1高橋 亨1松岡 俊文1,3 (1.公益財団法人深田地質研究所、2.北海道大学大学院 工学研究院、3.京都大学 学際融合教育研究推進センター)

キーワード:干渉SAR、地すべり、モニタリング

進行中の地すべり性地表変動量の把握と地すべりブロックの判別は、地すべり災害の対策を講じるにあたり重要である。リモートセンシング技術の1つである干渉SAR解析は、地表変動の面的な分布を定期的に得ることができるため、このような目的に適していると考えられる。本研究では、日本有数の地すべり地帯である白山南西斜面の地すべり地帯に手法を適用し、干渉SAR解析を用いた当該地域の地すべりモニタリングの有効性を検討した。解析には、2014年10月8日と2015年7月15日に北向軌道で取得されたデータ2シーンと、2015年9月20日と2016年6月12日に南向軌道で取得されたデータ2シーンのデータを用いた。解析の結果、2014年10月から2015年7月間には、甚之助谷や湯の谷周辺のブロックで約10 cmの地すべり地表変動が発生していたことが分かった。一方,別当谷周辺のブロックに有意な地表変動は推定されなかった。ただし,甚之助谷では,2015年9月から2016年6月間には,前年に動いた地すべりブロックよりもやや広いブロックが変動していることが分かった。また、湯の谷周辺においては,2014年10月から2015年7月間に動いた斜面のうち、主に北側斜面のみが2015年9月から2016年6月間に変動していたことが分かった。この結果から湯の谷の大規模地すべりブロックは、複数の小規模地すべりブロックの複合体であることが示唆される。本研究の結果は、干渉SAR解析を用いた地すべり地表変動モニタリングの有効性を示していると考えている。