[MIS22-P16] 北部九州—パラオ海嶺における反射法地震探査の概要:
IODPプロポーザルのための事前調査航海KH-16-6
キーワード:九州—パラオ海嶺、反射法地震探査、IODPプロポーザル、古海洋
北部九州—パラオ海嶺において、IODPプロポーザルのための事前調査航海(白鳳丸KH-16-6)を実施し、反射法地震探査を行った。北部九州—パラオ海嶺では、1971年に実施されたDSDP Leg31によって296地点から約450mのコアが掘削されている。DSDP 296では中新世以降の堆積物が回収されているが、コアの回収率は約60%であった。また、当時の掘削システムではコアとコアの間に必ずギャップができるため、連続的な堆積物が回収されていない。よって、DSDP 296は低時間解像度で長期的な古海洋変動の復元を行う研究には利用可能であるが、キーとなる時代、例えば最終間氷期最盛期、酸素同位体ステージ(MIS)11やMIS 31などの間氷期、鮮新世温暖期、中新世中期高温期(MMCO)などにおける高解像度環境復元は不可能である。そこで、北太平洋における表層および中深層の海洋大循環を高精度かつ高時間解像度で復元し、パナマ地峡などのゲートウェイの開閉イベントや全球気候変動との相互作用の実態を解明することを主目的としたIODPプロポーザルを準備している。その事前調査の一環として実施した新青丸KS-15-4次航海による海底地形探査とピストンコア採取に加え、KH-16-6次航海にて反射法地震探査を行い、DSDP 296地点を起点とする12側線におけるプロファイルを得た。DSDP 296レガシーコアによる堆積速度曲線などとの対比を含め、北部九州—パラオ海嶺における海底下地質構造について報告する。