[MIS23-P15] 琵琶湖愛知川河口沖コアの珪藻化石群集に基づく湖水位変動の予察的な復元
キーワード:琵琶湖、愛知川河口沖、ボーリングコア、浮遊性珪藻、変換式、湖水位変動
琵琶湖愛知川河口沖の水深5~30 mの湖底から水深5 m毎に採取された湖底表層試料の珪藻分析結果に基づき,珪藻群集中の浮遊性種の割合から水深を導く変換式を作成した.その変換式を,愛知川河口から北東約5 km沖の水深23.5 mの湖底から採取されたボーリングコア試料中の珪藻化石群集に適用して,予察的な湖水位の変動の復元をおこなった.
その結果,水深と珪藻群集中の浮遊性種の割合との間には負の相関関係がみられ,ボーリングコア試料の珪藻化石群集中の浮遊性種の割合は,琵琶湖における過去のおおまかな湖水位の変動を反映していると考えられる.その一方で,一部の層準については,水深を反映しない洪水堆積物の存在が示唆される.
変換式に基づく湖水位の変動と,グリーンランドのNGRIPの酸素同位体比,琵琶湖の高島沖コアの生物源シリカ濃度とBWK12-2コアの有機炭素濃度の3つの古気候データを比較すると,琵琶湖における湖水位の変動と気候の寒暖の変化との間には対応関係がみられる.また,1.5万年を境として,それ以前では寒冷な時期に水深が深い一方で,それ以降では温暖な時期に水深が深いというような逆の対応がみられる.このような違いは,夏季の降雨量と冬季の降雪量のバランスの変化によるものと考えられ,東アジアの夏季モンスーンおよび冬季モンスーンの消長が琵琶湖の水収支に影響を与えていることを示唆している.
その結果,水深と珪藻群集中の浮遊性種の割合との間には負の相関関係がみられ,ボーリングコア試料の珪藻化石群集中の浮遊性種の割合は,琵琶湖における過去のおおまかな湖水位の変動を反映していると考えられる.その一方で,一部の層準については,水深を反映しない洪水堆積物の存在が示唆される.
変換式に基づく湖水位の変動と,グリーンランドのNGRIPの酸素同位体比,琵琶湖の高島沖コアの生物源シリカ濃度とBWK12-2コアの有機炭素濃度の3つの古気候データを比較すると,琵琶湖における湖水位の変動と気候の寒暖の変化との間には対応関係がみられる.また,1.5万年を境として,それ以前では寒冷な時期に水深が深い一方で,それ以降では温暖な時期に水深が深いというような逆の対応がみられる.このような違いは,夏季の降雨量と冬季の降雪量のバランスの変化によるものと考えられ,東アジアの夏季モンスーンおよび冬季モンスーンの消長が琵琶湖の水収支に影響を与えていることを示唆している.