[MZZ41-P01] 災害軽減のために余震予測はなぜ必要か?
キーワード:Kumamoto Earthquake, Aftershock, Hazard forecast
ハザードやリスクのモデルは様々な人に利用される。例えば、研究者、政府の機関、工学者や広い意味の技術者、そして、最終的には一般の地域住民である。
余震発生の確率予測は、科学的には最も成功した例であるが、社会に正しく使われているかについては問題を残している。
2016年熊本地震では、多くの大きな余震を伴い、強い揺れがたびたび観測された。最も大きな地震(本震)の規模は、4月16日に発生したマグニチュード(M)7.3であった。この地震はM6.5の地震(前震)の発生の28時間後に発生した。気象庁は最初の地震の後、今後3日以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は約20%であると、余震予測を発表した。この確率は、通常の地震による揺れの確率に比べて3000倍の高い確率であった。
しかし、この情報は、「次に余震が来る、余震とは本震より小さい地震である」という安心情報になった可能性があった。その結果、気象庁は、その後は余震予測を発表せずに、「地震活動の推移予測」を発表することになった。確率予測ではなく、大きな地震後には、最初の地震の揺れと同程度か、場合によっては、もっと大きな揺れの可能性があるという注意喚起をすることになった。
講演者は、個人的にはもっと定量的な予測(時間的、空間的、頻度(確率)情報)を行うべきと考えるが、災害の軽減を実現するための余震情報に関するリスクコミュニケーションのあり方を考えたい。
余震発生の確率予測は、科学的には最も成功した例であるが、社会に正しく使われているかについては問題を残している。
2016年熊本地震では、多くの大きな余震を伴い、強い揺れがたびたび観測された。最も大きな地震(本震)の規模は、4月16日に発生したマグニチュード(M)7.3であった。この地震はM6.5の地震(前震)の発生の28時間後に発生した。気象庁は最初の地震の後、今後3日以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は約20%であると、余震予測を発表した。この確率は、通常の地震による揺れの確率に比べて3000倍の高い確率であった。
しかし、この情報は、「次に余震が来る、余震とは本震より小さい地震である」という安心情報になった可能性があった。その結果、気象庁は、その後は余震予測を発表せずに、「地震活動の推移予測」を発表することになった。確率予測ではなく、大きな地震後には、最初の地震の揺れと同程度か、場合によっては、もっと大きな揺れの可能性があるという注意喚起をすることになった。
講演者は、個人的にはもっと定量的な予測(時間的、空間的、頻度(確率)情報)を行うべきと考えるが、災害の軽減を実現するための余震情報に関するリスクコミュニケーションのあり方を考えたい。