JpGU-AGU Joint Meeting 2017

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[O-06] [JJ] 日本のジオパーク-しくじりから見えてくるジオパークの理想像-

2017年5月20日(土) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[O06-P12] 茨城県北ジオパーク、ジオネット日立の活動とチャレンジ

*田切 美智雄1塙 勝利2及川 晃2村田 誠2 (1.日立市郷土博物館、2.ジオネット日立)

キーワード:ジオネット日立、茨城県北ジオパーク、日立カンブリア紀層、カンブリア紀化石

2011年に茨城県北ジオパークが開始して以来、多くの日立市民インタープリターが日立ジオサイトで活動してきた。当初、日立市がオブザーバー参加だったため、ジオネット日立は非公認組織として扱われていたが、インタープリター活動を通して粘り強く日立市に正式会員への参加を求め、本年実現するに至った。その活動とチャレンジを報告する。

ジオネット日立は日立市やその関連団体が主宰する行事に積極的に参加し、日立ジオサイトを市民・生徒に啓蒙した。例えば、市民ハイキングでルート整備やガイドを行う、生涯教育として行う百年塾フェスタにブースを設置する、青少年科学の祭典にブースを設置する、郷土博物館の夏休み地学土曜教室(4回)で補助にあたる、市内コミュニティのイベントに出店するなどした。中学校では、日立カンブリア紀層の岩石・化石標本セットを作成し、全中学校で持ち回り展示をした。県北ジオパークが企画するジオツアーのガイドとして積極的に協力した。県北ジオパークのネットワークに参画した。

ジオネット日立のメンバーは2ヶ月に1回の研修講話と年に数回の現地研修を行い、日立ジオサイトの知識を深める活動をしている。また、ジオネット日立は定例会(毎回20名以上が出席)を2ヶ月に1度開催し、活動方針、行事の企画や運営、予算管理を行っている。以上のような活動によってメンバーは37名となり、県北ジオパークでは最大のジオネット組織となった。各メンバーは各方面で市役所にロビー活動を行い、市にジオパークの支援を求めた。

日立ジオサイトのカンブリア紀層は現在も研究が進められており、ジオネット日立は地質調査にも主体的に取り組んで、成果が報告された(田切ほか、2015&2016)。日立カンブリア紀化石の調査結果もさらに蓄積されている。