JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE]Eveningポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM12] [EE] Space Weather, Space Climate, VarSITI

2017年5月23日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[PEM12-P10] 活動領域NOAA12297における黒点の逆回転とX2.1フレア

*長谷川 隆祥1,2清水 敏文2,1 (1.東京大学、2.宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)

キーワード:Sun, Flare, Sunspot, Energy build-up, Magnetic helicity

我々は、活動領域NOAA12297におけるX2.1クラスフレア前後の磁場構造の、2015年3月10日から13日までの時間発展について研究した。本活動領域の主要な黒点は、3/10の0時ごろの段階では時計回りの回転をしていたが、3/10、22時ごろに現れた急速な磁気浮上によるシア流れによって反時計回りの回転が促された。磁気浮上が進むにしたがって黒点に発生するローレンツトルクも増加し、黒点の回転速度は上昇していき、最大で~2.5deg/hに達した。これに伴い、磁場の非ポテンシャル性を表す物理量(平均フォースフリーα)も増大して行った。さらに、黒点の逆回転は、大局的に正の磁気ヘリシティを持つ本活動領域に、大きな負の磁気ヘリシティをもたらしていた。3/11の16時ごろ、この黒点のすぐ北でX2.1クラスフレアが発生した。そのすぐ後、黒点の回転速度は減少を始め、3/13の0時ごろには時計回りに戻っていた。この解析結果から、我々は、Xクラスほどの巨大フレアの自由エネルギー蓄積には、黒点付近の磁気浮上に加えて、黒点の回転が重要な役割を持つことを主張する。またこの結果は、系のもつ大局的な磁気ヘリシティに対して逆向きの磁気ヘリシティがもたらされることが、フレアのオンセットに寄与する可能性を示唆する。