JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE]Eveningポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM15] [EE] 太陽地球系結合過程の研究基盤形成

2017年5月25日(木) 15:30 〜 16:45 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[PEM15-P17] スペースデブリ環境推移モデルにおける大気密度モデルの改良と宇宙天気活動の影響評価

*阿部 修司1花田 俊也2吉川 顕正1平井 隆之3河本 聡美3 (1.九州大学 国際宇宙天気科学・教育センター、2.九州大学 工学研究院 航空宇宙工学部門、3.宇宙航空研究開発機構研究開発部門第二研究ユニット)

キーワード:Space Weather, Space Debris, Space Environment

スペースデブリは宇宙ゴミとも呼ばれる、宇宙空間に存在する不要な人工物体の総称である。スペースデブリの増加は、人類の安全安心な宇宙開発を妨げるため、適切な時期までに適切なデブリ低減対策を実施することが求められる。その評価のために、現在の地球周辺のスペースデブリ環境を再現し、かつ、今後の打ち上げや実施されたデブリ低減対策、宇宙環境の変化を加味した将来の軌道環境を予測することが必要である。これらの課題に対し、九州大学とJAXAでは、地球周回全領域デブリ環境推移モデル (NEODEEM:Near-Earth Orbital Debris Environment Evolutionary Model)を共同で開発し、地球周回全領域(静止軌道-静止トランスファ軌道-中軌道-低軌道)のスペースデブリ環境予測をおこなっている。スペースデブリの軌道変更や消失に寄与するのは、大気から受けるドラッグである。大気密度は、太陽活動度や地磁気活動度の影響を受けて変動するため、スペースデブリ環境予測において宇宙天気活動を考慮することは必須である。今回我々は、より精密な大気密度の推定と、スペースデブリ軌道計算への応用を目指し、大気密度モデルの改良を試みた。その結果、太陽周期などの長期の宇宙天気現象に加え、磁気嵐などの突発的な宇宙天気現象の影響も考慮した、スペースデブリ軌道計算に適した大気モデルを構築することができた。本講演では、更新された大気モデルと、地球周辺の宇宙天気現象がスペースデブリ環境推移に及ぼす影響について評価した結果を紹介する。