[PEM22-P03] 宮城県大崎市川渡で観測された雷によるELF帯磁場変動の東西方向成分と南北方向成分の違い
キーワード:ELF、雷、磁場変動、東西成分、誘導磁力計、方向
東北工業大学では1998年より宮城県大崎市川渡にインダクション磁力計を設置し、1[Hz]から20[Hz]の下部ELF帯の磁場変動観測を行っている。この周波数帯には地球磁気圏の太陽風に対する応答であるpc1帯地磁気脈動や、雷に起因する電磁波の空洞共鳴であるシューマン共振などが検出されるが、それらを凌駕する強さで雷による磁場変動が観測される。本研究では、この雷と思われる磁場変動の南北成分(NS)と東西成分(EW)の違いについて報告する。
観測はテラテクニカ社製のインダクション磁力計で行っている。センサーはコアにパーマロイを使用した巻き数3万回のインダクションコイルである。信号は128Hzでサンプリングされる。磁力計の感度の周波数依存性が大きいため、フーリエ変換後に感度補正を行う。こうして得られるスペクトル中、雷によると思われる信号は、0.1-20 Hzの観測周波数全域にわたり強度が上がる。特に強いピーク周波数はこの帯域では見られない。この観測システムでは、生波形はインパルス的な強い信号ののちに減衰振動を伴う形で観測される。夏の午後に多く、短時間のノイズが次々現れる形で観測される。
南北方向、東西方向に隣接して独立に設置された2つの観測システムのスペクトルを比較すると、一方向だけに雷に特徴的な磁場変動が見られ他方には全く見られないケースが見つかった。2005年9月10日の16時0分の例では、東西方向成分に広い周波数にわたり、雷の特徴を持つ強い磁場変動があるのに、南北成分には3Hz以上には強い磁場変動が見られなかった。
このような例が2001年から2005年、及び2011年のデータ中から8例見つかり、そのうち6例で東西成分だけに磁場変動が見られた。これは観測地の近隣の雷の発生位置の方向を反映していると推察される。
観測はテラテクニカ社製のインダクション磁力計で行っている。センサーはコアにパーマロイを使用した巻き数3万回のインダクションコイルである。信号は128Hzでサンプリングされる。磁力計の感度の周波数依存性が大きいため、フーリエ変換後に感度補正を行う。こうして得られるスペクトル中、雷によると思われる信号は、0.1-20 Hzの観測周波数全域にわたり強度が上がる。特に強いピーク周波数はこの帯域では見られない。この観測システムでは、生波形はインパルス的な強い信号ののちに減衰振動を伴う形で観測される。夏の午後に多く、短時間のノイズが次々現れる形で観測される。
南北方向、東西方向に隣接して独立に設置された2つの観測システムのスペクトルを比較すると、一方向だけに雷に特徴的な磁場変動が見られ他方には全く見られないケースが見つかった。2005年9月10日の16時0分の例では、東西方向成分に広い周波数にわたり、雷の特徴を持つ強い磁場変動があるのに、南北成分には3Hz以上には強い磁場変動が見られなかった。
このような例が2001年から2005年、及び2011年のデータ中から8例見つかり、そのうち6例で東西成分だけに磁場変動が見られた。これは観測地の近隣の雷の発生位置の方向を反映していると推察される。