[PPS02-P19] はやぶさ2の着陸地点選定に向けた撮像模擬実験
キーワード:Hayabusa2, Multi-band spectral imaging
2014年に打ち上げられたはやぶさ2は、C型小惑星リュウグウを目標天体とした小惑星探査機である。はやぶさ2におけるミッション目標の一つは、熱変成の進んでいない始原的な物質を地球へと持ち帰ることであり、リュウグウには、地上からの反射分光測定の結果[Vilas, 2008]から含水鉱物の存在を示す700nm吸収帯の存在が確認されている。はやぶさ2では、3つの可視カメラから成る光学航法カメラ(ONC)のうち、7枚のバンドパスフィルタの備わった望遠カメラ「ONC-T」を用いてマルチバンド分光観測を行う。そして、その撮像結果から700nm吸収帯の検出が可能であることを事前に確認しておく必要がある。我々はこれまでに、ONC-Tのフライトモデルを用いて、C型小惑星に対応する反射スペクトルを持つ炭素質コンドライトに対する反射分光実験を行い、700nm吸収帯の検出が可能であることを確認した[Kameda et al., 2015]。しかし、ONC-Tではフィルタホイールを回転させてマルチバンド分光観測を行うため、フィルタを回転させている間に、リュウグウの自転によりバンドごとの視野のずれが生じるが、700nm吸収帯が検出可能であることを示した先行研究ではバンドごとの視野のずれは模擬していない。
そこで本研究では、ONC-Tを模擬したカメラを用いて、リュウグウの自転によるバンドごとの視野のずれを模擬し、700nm吸収帯の深さへの影響を確認した。
本研究では、試料台の下にx軸ステージを設置し、バンドごとに隕石の位置を動かすことで自転によるバンドごとの視野のずれを模擬した。また、はやぶさ2の撮像を模擬するために、ONC-Tで使われているCCDチップと同じものを組み込んだカメラと、ONC-Tに搭載されているバンドパスフィルタと同等の透過中心波長を持つフィルタを用いた。
なお、自転によるバンドごとの視野のずれはリュウグウ表面からの高度によって変化するため、本研究では、高度20km(HP)と高度5kmにおける視野のずれを模擬した。また、含水鉱物の存在する領域を特定する際に予定されている空間分解能30mの場合で、炭素質コンドライトの反射スペクトル及び700nm吸収帯の深さを求めた。
そこで本研究では、ONC-Tを模擬したカメラを用いて、リュウグウの自転によるバンドごとの視野のずれを模擬し、700nm吸収帯の深さへの影響を確認した。
本研究では、試料台の下にx軸ステージを設置し、バンドごとに隕石の位置を動かすことで自転によるバンドごとの視野のずれを模擬した。また、はやぶさ2の撮像を模擬するために、ONC-Tで使われているCCDチップと同じものを組み込んだカメラと、ONC-Tに搭載されているバンドパスフィルタと同等の透過中心波長を持つフィルタを用いた。
なお、自転によるバンドごとの視野のずれはリュウグウ表面からの高度によって変化するため、本研究では、高度20km(HP)と高度5kmにおける視野のずれを模擬した。また、含水鉱物の存在する領域を特定する際に予定されている空間分解能30mの場合で、炭素質コンドライトの反射スペクトル及び700nm吸収帯の深さを求めた。