JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE]Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG62] [EE] 変動帯ダイナミクス

2017年5月23日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[SCG62-P08] 2009年から2014年までの新潟-神戸歪集中帯北東部のcoda Qの時間変化

*道場 正伸1平松 良浩2 (1.金沢大学大学院自然科学研究科、2.金沢大学理工研究域自然システム学系)

キーワード:the 2011 Tohoku earthquake, high strain rate zone

大地震が発生すると地殻の応力状態が変化することによって地震活動度や地殻の不均質性が変化する。Hiramatsu et al. (2000) と Sugaya et al. (2009) では、1995年兵庫県南部地震による丹波地方のcoda Qの時間変化が報告されている。Padhy et al. (2013) では、2011年東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた東北地方の太平洋沿岸でのcoda Qの時間変化が報告されている。その一方、Tsuji et al. (2014) では、2011年東北地方太平洋沖地震による濃尾断層帯周辺のcoda Qの統計的に有意な時間変化は報告されていない。そこで、本研究では2009年1月から2011年2月 (period I) と2012年1月から2014年10月 (period II) の新潟-神戸歪集中帯北東部のcoda Qの時間変化を調べることとする。
本研究ではperiod I で646個、period II で2194個の地震を解析した。これらのイベントはマグニチュードが1.8以上、震源の深さは30 km以浅である。震央から30 km以内の観測点のデータからAki and Chouet (1975)の一次後方散乱モデルを適用してcoda Qを求める。
period I と period II のcoda Qを比較したところ、log (coda Q-1)の変化は13%以内であった。log (coda Q-1)の空間分布の時間変化に注目すると、低周波数帯で log (coda Q-1)が増加した領域は火山領域の周辺にあり、中周波数帯や高周波数帯では目立った変化は観測されなかった。しかし、それぞれの観測点での log (coda Q-1)の時間変化についてt検定を実施した結果、統計的に有意な変化は認められなかった。したがって、新潟-神戸歪集中帯北東部では、2011年東北地方太平洋沖地震によるcoda Qの時間変化は統計的に有意なものではないと考えられる。