[SCG62-P12] 鳥取県西伯郡 南部町東部から伯耆町における断層分布と断層岩の特徴
キーワード:2000 Western Tottori earthquake
2000年鳥取県西部地震は明瞭な活断層が検出されていない地域で発生した地震であり、この地域では他の活断層に比べ未成熟な断層系が発達している可能性がある。先行研究では余震域で1000条以上の断層が確認され、WNW-ESE走向とNE-SW走向に卓越することが明らかとなった。しかしながら、余震域とその外側の断層の相違点・特徴は理解されていない。
よって、本研究の目的は鳥取県西伯郡南部町東部から伯耆町において地表地質踏査を行い、余震域と余震域外の断層系の分布および断層岩の特徴の類似点および相違点について明らかにすることとした。
調査地域は鳥取県西伯郡南部町東部から伯耆町までの範囲とした。この地域には根雨花崗岩帯と呼ばれる白亜紀後期の花崗岩が分布している。花崗岩は主に粗粒黒雲母花崗岩であり、アプライト質~ペグマタイト質花崗岩、西部には斑状黒雲母花崗岩、北東部には鮮新世のかんらん石玄武岩と洪積世の河岸段丘堆積層も分布する。また、玄武岩質~安山岩質岩脈、流紋岩質岩脈、アプライト質岩脈が花崗岩中に貫入している。
本研究の調査地域西部ではN84°E82°NとN45°W77°N、中央部ではN66°E78°N、N88°E90°、N70°W88°N、やや東部ではN68°W88°N、東部ではN32°W86°Nへの断層姿勢の卓越がみられた。西部と中央部では白色の断層岩が多く、やや東部と東部では、桃色を呈するものが多い。
また、西部では破砕されたような母岩が確認でき、そのような地点をダメージ帯とした。ダメージ帯には熱水変質を受けたようなカタクレーサイト質の基質が確認され、母岩の岩片が一定の方向に配列している。ダメージ帯では断層岩1cm 以下のNE走向の断層を多数形成し、時折、その多くの断層を切断するようにして幅2㎝以上あるNW走向の断層岩が確認される。また、NE走向の断層の配列は中央部でもみられた。
断層姿勢を比較すると、調査地域西部・中央部は余震域の断層と類似している。東部は小町-大谷リニアメントと走向が類似している。色相を比較すると、調査地域西部・中央部は先行研究で言われる余震域の特徴に類似しており、東部は先行研究で言われる余震域の外側の特徴に類似している。このことから、調査地域西部・中央部は余震域と同じ断層系に属すると考えられる。東部は小町-大谷リニアメントに関連する断層だと考えられる。よって、2000年鳥取県西部地震の断層系は震央から余震分布に直交する方向に7㎞の広がりがあると考えられる。しかし、これほど断層が広がることは考えにくい。調査地域西部・中央部では、ひずみ集中帯の影響を受けている可能性もある。
よって、本研究の目的は鳥取県西伯郡南部町東部から伯耆町において地表地質踏査を行い、余震域と余震域外の断層系の分布および断層岩の特徴の類似点および相違点について明らかにすることとした。
調査地域は鳥取県西伯郡南部町東部から伯耆町までの範囲とした。この地域には根雨花崗岩帯と呼ばれる白亜紀後期の花崗岩が分布している。花崗岩は主に粗粒黒雲母花崗岩であり、アプライト質~ペグマタイト質花崗岩、西部には斑状黒雲母花崗岩、北東部には鮮新世のかんらん石玄武岩と洪積世の河岸段丘堆積層も分布する。また、玄武岩質~安山岩質岩脈、流紋岩質岩脈、アプライト質岩脈が花崗岩中に貫入している。
本研究の調査地域西部ではN84°E82°NとN45°W77°N、中央部ではN66°E78°N、N88°E90°、N70°W88°N、やや東部ではN68°W88°N、東部ではN32°W86°Nへの断層姿勢の卓越がみられた。西部と中央部では白色の断層岩が多く、やや東部と東部では、桃色を呈するものが多い。
また、西部では破砕されたような母岩が確認でき、そのような地点をダメージ帯とした。ダメージ帯には熱水変質を受けたようなカタクレーサイト質の基質が確認され、母岩の岩片が一定の方向に配列している。ダメージ帯では断層岩1cm 以下のNE走向の断層を多数形成し、時折、その多くの断層を切断するようにして幅2㎝以上あるNW走向の断層岩が確認される。また、NE走向の断層の配列は中央部でもみられた。
断層姿勢を比較すると、調査地域西部・中央部は余震域の断層と類似している。東部は小町-大谷リニアメントと走向が類似している。色相を比較すると、調査地域西部・中央部は先行研究で言われる余震域の特徴に類似しており、東部は先行研究で言われる余震域の外側の特徴に類似している。このことから、調査地域西部・中央部は余震域と同じ断層系に属すると考えられる。東部は小町-大谷リニアメントに関連する断層だと考えられる。よって、2000年鳥取県西部地震の断層系は震央から余震分布に直交する方向に7㎞の広がりがあると考えられる。しかし、これほど断層が広がることは考えにくい。調査地域西部・中央部では、ひずみ集中帯の影響を受けている可能性もある。