JpGU-AGU Joint Meeting 2017

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[EJ]Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG70] [EJ] 震源域近傍強震動の成因解明と強震動予測への展開

2017年5月24日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[SCG70-P09] 2004年新潟県中越地震と余震群における上越新幹線沿線の強震動

*陳 一飛1三宅 弘恵2 (1.東京大学大学院学際情報学府、2.東京大学大学院情報学環)

キーワード:2004年新潟県中越地震、上越新幹線、強震波形、強震動シミュレーション

2004年10月23日に発生した2004年新潟県中越地震は、17時56分に発生したMw 6.6の本震に続き、比較的規模の大きな余震が数多く発生した。本震では、新潟県川口町(現在は新潟県長岡市東川口)の震度計で震度7が、防災科学技術研究所K-NET小千谷とJR東日本新川口変電所(航空・鉄道事故調査委員会, 2007)において震度相当値7が観測されている。震度5強以上を観測した地震は10個以上あり、いずれも新潟県小千谷市、新潟県長岡市、新潟県魚沼市など、震源域に近く、地下構造が複雑で地盤増幅率が高い信濃川流域で大きな震度が観測されている。

2004年新潟県中越地震では、本震発生時に、史上初の営業運転中の新幹線脱線事故が上越新幹線長岡駅のやや南で発生した。上越新幹線沿線の強震動は、森・和仁 (2005)、中村 (2006)、航空・鉄道事故調査委員会 (2007) などによって検討されており、森・和仁 (2005) は、周期0.5秒以下の強震動の影響を指摘している。一方、2004年新潟県中越地震の小千谷~長岡間の観測強震動は、周期1秒が卓越している。2004年新潟県中越地震とその余震群は、共役な断層システムで発生しており、震源と地下構造の両方が複雑である。そのため観測記録と整合する強震動シミュレーション結果を得ることが難しい。そこで本研究では、2004年新潟県中越地震におけるP波とS波の到達時刻やその強震動分布の重要性に着目し、点震源過程が容易な余震群の強震動シミュレーションを行った上で、2004年新潟県中越地震の上越新幹線沿線の強震動分布を検討する。

解析では、新潟県自治体震度計・気象庁震度計・K-NET・KiK-netなどを対象とし、F-netおよびHikima and Koketsu (2005) の震源情報や断層モデルを用いた。地下構造モデルは、J-SHIS を初期モデルとした。強震動シミュレーションには、周期2秒以上はAoi and Fujiwara (1999) による三次元差分法を、周期2秒以下は壇・佐藤 (1998) による統計的グリーン関数法を用い、計算結果の検討は司・翠川 (1999) の距離減衰式と比較することにより行った。