JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ]Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM20] [JJ] 地磁気・古地磁気・岩石磁気

2017年5月20日(土) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[SEM20-P03] エチオピア洪水玄武岩に記録された約30Maの地球磁場強度の変動

吉村 由多加1、*石川 尚人1山本 裕二2安 鉉善3Tesfaye Kidane4乙藤 洋一郎5 (1.京都大学大学院人間・環境学研究科、2.高知大学海洋コア総合研究センター、3.Gyeongsang National University 、4.Addis Ababa University、5.NPO法人地球年代学ネットワーク)

キーワード:古地球磁場強度、エチオピア洪水玄武岩

約30Maの地球磁場の詳細な様相を知るためにエチオピア洪水玄武岩を対象に古地磁気強度の推定を行った。40層準中41個の試料に対して低温消磁2回加熱ショー法を用いて絶対古地磁気強度の推定を試み、52層準中52個の試料に対して相対古地磁気強度の指標であるARM強度により規格化した自然残留磁化(NRM)強度(NRM/ARM)を求めた。その結果、24個の絶対古地磁気強度と45個の相対古地磁気強度を求めることができた。NRM/ARMと絶対古地磁気強度との間に認められた高い正の相関関係に基づき、絶対古地磁気強度が求められなかった層準に対してNRM/ARMから古地磁気強度を推定した。最終的に45層準中46個の古地磁気強度を推定することができた。

全体の古地磁気強度の平均は13.2±10.9 µTであり、仮想双極子モーメント(VDM)の平均は2.7±2.3×1022Am2であった。過去1億年間の古地磁気強度データと比較すると、エチオピア洪水玄武岩から得られた約30Maの地球磁場強度は弱いことがわかった。本研究で解析した溶岩層で認められた7つの磁極期において、極めて弱い強度を示し、その強度の変動も小さい正磁極期があり、地球磁場強度が正磁極期の方が逆磁極期より弱い傾向が認められた。また、地磁気極性が短期間で変化する期間においては、強度変動が大きく、古地磁気極からの仮想地磁気極(VGP)のずれ(余緯度)が大きくても強いVDMを示す場合も認められた。