[SSS13-P01] 気象庁地震カタログ改善後の処理状況
キーワード:地震カタログ
気象庁は、地震調査研究推進本部の施策に基づき、全国の高感度地震計のデータを収集して震源決定等の処理を一元的に行い、その結果を地震カタログとして公表している。気象庁は平成28年4月1日(日本標準時)に、地震カタログの改善を行った。主な改善は、PF法(溜渕・他、2016)による自動震源決定手法を活用し、震源決定作業の効率化を図り、かつ検知力を上げたことである。
具体的な改善内容は以下のとおりである。領域と深さごとに精査検測(職員が地震波形を精査し震源決定)を行う地震のMの閾値(以下、Mthと記す)を設定し、Mth以上の地震については、改善前と同様、精査検測を行い、Mth未満の地震についてはPF法による自動震源の採用を基本とする。検知されても自動震源が求まらない地震については、精査検測は行わず、職員により最大10点程度の観測点を検測するという簡易な手順により震源決定を行う(以下、簡易検測と記す)。精査検測する震源の目安(Mth)は、内陸の浅い地震はM2以上とし、海域については陸域(観測網)からの距離に応じてMを上げ、最大でM4以上としている。また、自動震源決定手法を活用するように震源決定処理方法を変更したことに伴い、自動震源と手作業による震源の区別や震源決定精度を地震カタログ上で明示する登録フラグを新たに設けた。
平成28年4月1日より本手法を気象庁システムに導入し、新たな震源決定業務の運用を開始した。本手法導入後、震源決定総数は従来の約2倍となり、そのうち自動震源が約6割を占めている。本手法導入後に発生した熊本地震等の顕著な地震の発生時には、地震発生直後から自動震源を活用することにより、防災対応に資する気象庁報道発表資料の充実を図ることができた他、地震調査委員会での地震の評価等に大きく寄与することができている。
今回は、新たな地震カタログの処理状況について、平成28年(2016年)熊本地震を含む主な地震活動の処理の現状を含めて説明する。
具体的な改善内容は以下のとおりである。領域と深さごとに精査検測(職員が地震波形を精査し震源決定)を行う地震のMの閾値(以下、Mthと記す)を設定し、Mth以上の地震については、改善前と同様、精査検測を行い、Mth未満の地震についてはPF法による自動震源の採用を基本とする。検知されても自動震源が求まらない地震については、精査検測は行わず、職員により最大10点程度の観測点を検測するという簡易な手順により震源決定を行う(以下、簡易検測と記す)。精査検測する震源の目安(Mth)は、内陸の浅い地震はM2以上とし、海域については陸域(観測網)からの距離に応じてMを上げ、最大でM4以上としている。また、自動震源決定手法を活用するように震源決定処理方法を変更したことに伴い、自動震源と手作業による震源の区別や震源決定精度を地震カタログ上で明示する登録フラグを新たに設けた。
平成28年4月1日より本手法を気象庁システムに導入し、新たな震源決定業務の運用を開始した。本手法導入後、震源決定総数は従来の約2倍となり、そのうち自動震源が約6割を占めている。本手法導入後に発生した熊本地震等の顕著な地震の発生時には、地震発生直後から自動震源を活用することにより、防災対応に資する気象庁報道発表資料の充実を図ることができた他、地震調査委員会での地震の評価等に大きく寄与することができている。
今回は、新たな地震カタログの処理状況について、平成28年(2016年)熊本地震を含む主な地震活動の処理の現状を含めて説明する。