[SSS13-P03] 2011年東北沖地震前後での地震モーメント解放量の時空間変動
キーワード:地震モーメント解放量、2011年東北地方太平洋沖地震、地震活動の時空間変動
2011年東北地方太平洋沖地震の前後での震源断層及びその周辺の地震モーメント解放量の変化をセグメント毎に比較した。宮城沖では前後共に大きな解放量であるのに対して、福島沖では本震前はわずかな解放量であったがその後は宮城沖に匹敵する解放量に急増した。海溝より外側のアウターライズ地震の領域でも同様な傾向が見られた。これらの領域には元々応力は小さかったが、本震における周辺での大きな滑りに伴って新たに応力レベルが上がり、モーメント解放量が増加したと考えられる。1964年アラスカ地震前後で、南西側のKodiak島セグメントも同様な特徴があり(Doser et al., 2006)、それまでの地震活動が弱く本震時の滑り量は小さくとも、本震によって活発な地震活動が開始される領域の一例が新たに定量的に示された。