[STT58-P05] 無人ヘリコプター放射線モニタリングの解析精度向上について
キーワード:ガンマ線スペクトロメトリー、無人ヘリコプター、質量減弱係数、三次元インバージョン
2011年に発生した福島第一原子力発電所事故の後、発電所周辺の放射線の高線量地域において、無人ヘリコプターを用いて継続して空間線量率を測定している。測定は高度約100m、測線間隔80mでLaBr3(Ce)検出器を用いてガンマ線の計数率を測定し、これを解析して地上1mの空間線量率に換算している。ガンマ線の計数率は高度とともに指数関数的に減少し、同一高度での計数率と空間線量率は比例関係にあることが知られている。この地域における実効的な高度補正係数と計数率-線量率換算係数を求めるために、地表が平坦で空間線量率の変化が少ない地点において、キャリブレーション測定を行った。
解析は、グロスカウント法を用い、計数率を、検出器の不感時間補正、高度補正係数、計数率-線量率換算係数を使い、線量率に換算する。測定は1~2ヶ月を有するため、測定日の異なる線量率データを、天然核種由来の線量率を考慮した減衰補正式で、基準日(通常測定終了日)の線量率に統一する。これを、最終的に ArcGIS を用いて、クリギング法でマッピングを行った。測定結果の妥当性確認のために、サーベイメータによる地上測定を併せて実施し、無人ヘリコプターから求めた空間線量率と地上の測定値の比較検討を行った。また、解析結果を過去の測定結果と比較検討することも行っている。
これらの比較検討の結果、最近になって、季節、測定日の気象条件により無人ヘリコプターで測定される計数率が影響を受けること明らかになった。
事故当初は汚染による空間線量率が高く放射性物性物質の物理的減衰やウェザリング等による減衰が速いため変化がわからなかったが、事故から5年以上が経過したため、低線量地域ではより正確に計数率を出す必要がある。そこで、解析パラメータの改良と地形や飛行高度による放射線源からの影響を考慮した解析を検討した。
解析パラメータに関しては、従来、定数としていた高度補正係数を空気密度の関数と考え、高度補正係数を空気密度で除した『質量高度補正係数』を定数とし、測定日の空気密度を考慮して解析を行うことで解析精度が向上した。また、地形や飛行高度による放射線源からの影響を改良するために逆解析を行い、より高い分解能で解析できることを確認した。
解析は、グロスカウント法を用い、計数率を、検出器の不感時間補正、高度補正係数、計数率-線量率換算係数を使い、線量率に換算する。測定は1~2ヶ月を有するため、測定日の異なる線量率データを、天然核種由来の線量率を考慮した減衰補正式で、基準日(通常測定終了日)の線量率に統一する。これを、最終的に ArcGIS を用いて、クリギング法でマッピングを行った。測定結果の妥当性確認のために、サーベイメータによる地上測定を併せて実施し、無人ヘリコプターから求めた空間線量率と地上の測定値の比較検討を行った。また、解析結果を過去の測定結果と比較検討することも行っている。
これらの比較検討の結果、最近になって、季節、測定日の気象条件により無人ヘリコプターで測定される計数率が影響を受けること明らかになった。
事故当初は汚染による空間線量率が高く放射性物性物質の物理的減衰やウェザリング等による減衰が速いため変化がわからなかったが、事故から5年以上が経過したため、低線量地域ではより正確に計数率を出す必要がある。そこで、解析パラメータの改良と地形や飛行高度による放射線源からの影響を考慮した解析を検討した。
解析パラメータに関しては、従来、定数としていた高度補正係数を空気密度の関数と考え、高度補正係数を空気密度で除した『質量高度補正係数』を定数とし、測定日の空気密度を考慮して解析を行うことで解析精度が向上した。また、地形や飛行高度による放射線源からの影響を改良するために逆解析を行い、より高い分解能で解析できることを確認した。