JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ]Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT60] [JJ] ルミネッセンス・ESR測定の年代学・地球惑星科学への貢献

2017年5月24日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[STT60-P05] 石英の熱ルミネッセンス発光ピーク温度の重要性

*三浦 知督1長谷部 徳子1鴈澤 好博2 (1.金沢大学、2.北海道教育大学)

キーワード:ルミネッセンス、ピーク温度、石英

石英を用いた熱ルミネッセンス(TL)法で蓄積線量の算出を行う際に必要な情報は、発光シグナルのピーク温度と発光シグナルの強度の情報である。
 複数のルミネッセンスサイトから発光シグナルがあると,発光曲線の形状はブロードタイプとなり,複数のピークの混合曲線となる。各ルミネッセンスサイトの安定性が異なるため、混合曲線の見かけ上のピーク発光シグナルを用いて年代測定を行った場合、年代を正確に見積もれないという問題が発生することがある。
 そこで、ピーク分離を行ってシグナル強度を算出することが必要となる。ピーク分離を行う際には、ルミネッセンスサイトに対応する本来のピーク温度を算出する必要がある。そこで、T-Tmax法を用いてピーク温度の算出を行う(McKeever, 1980)。この手法は、プレヒート(以下PH)によってPH温度以下のシグナルを消去したのちピーク温度を読み取り,その変化からルミネッセンスサイトを認定する方法である。また、一般的に測定時の加熱速度上昇により、ピーク温度も上昇することが知られている(Aitken, 1985)。
 このピーク温度は試料によってある程度固定されており、天然発光シグナルと再現発光シグナルとではピーク温度がほぼ同温度である。しかし、本研究で用いた試料の一部において、天然発光シグナルのピーク温度と再現発光シグナルのピーク温度とが異なる試料が見られた。
 そこで、本研究では、天然シグナルのピーク温度と再現シグナルとのピーク温度の違いについて議論する。