[SVC49-P12] 富士山における火山防災担当者研修プログラムの試案
キーワード:火山災害、防災、研修プログラム
富士山周辺の市町村では、火山防災行政担当者は2〜3年で異動する。これらの担当者は、異動当初の数日の引き継ぎのみで、基礎的な知識等については、火山防災パンフレットや短時間の講演会を聴講するのみである。そのため、知識の伝達や対策の継続性がしばしば滞ることがある。これまでも研修会や図上訓練などを実施することにより、火山防災担当者のスキルを向上させる試みは数多く行われているが、効果が上がっていない場合も多い。図上訓練の効果を上げるには、さまざまな個々の火山や火山防災特有の知識を必要とするが、それらを簡単に提供できる仕組みもない。本研究では、行政担当者が、継続的に知識を取得し、共通課題を共有し、地元の火山噴火に的確に対応できる人材育成を目指した研修プログラムを構築することを目的とする。
関係機関へのヒアリングを基に研修プログラム案を作成し、平成29年1月に試験的に研修会を実施した。プログラムの内容は火山噴火や災害の基礎知識、実際の噴火災害対応に関する知識、現行の富士山火山広域避難計画を学び、それらを振り返るための演習(図上訓練)で、実施時間は半日、他の業務と連携して行えるように富士山火山防災会議協議会山梨県コアグループ会議に合わせて開催した。研修会の運営はNPO法人火山防災機構に依頼し、研修会には、オブザーバーを含め50名が参加した。演習としては、「噴火警戒レベルに応じて実施する対策」と題してワールドカフェ形式の図上訓練を行い、最後に全体討論会として班毎の発表と講評、アンケートを実施した。
アンケートの結果、総じて定期的な火山防災研修を望む声が多く、年に1~2回程度実施し、2回の場合は担当者が新規に入れ替わる4月と秋頃に各1回程度、火山防災協議会開催時と同時期に行うのが望ましいとの情報が得られた。開催時間は演習100分程度を含め半日程度が望ましく、内容としては今回実施した内容に加えて「火山防災情報」や「住民等への広報」等の内容が必要とされる。運営面では、別途予算の確保は必要となるが、持続的に実施する場合においては担当者が変わらない民間事業者等の支援を受けることも有効だと考えられる。
本研究は、東京大学地震研究所と京都大学防災研究所の拠点間連携共同研究によって行われたものである。
関係機関へのヒアリングを基に研修プログラム案を作成し、平成29年1月に試験的に研修会を実施した。プログラムの内容は火山噴火や災害の基礎知識、実際の噴火災害対応に関する知識、現行の富士山火山広域避難計画を学び、それらを振り返るための演習(図上訓練)で、実施時間は半日、他の業務と連携して行えるように富士山火山防災会議協議会山梨県コアグループ会議に合わせて開催した。研修会の運営はNPO法人火山防災機構に依頼し、研修会には、オブザーバーを含め50名が参加した。演習としては、「噴火警戒レベルに応じて実施する対策」と題してワールドカフェ形式の図上訓練を行い、最後に全体討論会として班毎の発表と講評、アンケートを実施した。
アンケートの結果、総じて定期的な火山防災研修を望む声が多く、年に1~2回程度実施し、2回の場合は担当者が新規に入れ替わる4月と秋頃に各1回程度、火山防災協議会開催時と同時期に行うのが望ましいとの情報が得られた。開催時間は演習100分程度を含め半日程度が望ましく、内容としては今回実施した内容に加えて「火山防災情報」や「住民等への広報」等の内容が必要とされる。運営面では、別途予算の確保は必要となるが、持続的に実施する場合においては担当者が変わらない民間事業者等の支援を受けることも有効だと考えられる。
本研究は、東京大学地震研究所と京都大学防災研究所の拠点間連携共同研究によって行われたものである。