JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] [JJ] 地球惑星科学のアウトリーチ

2017年5月20日(土) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、長谷川 直子(お茶の水女子大学)、大木 聖子(慶應義塾大学 環境情報学部)

[G03-P06] 夏休み子ども科学電話相談の内容傾向把握

*山田 伸之1野中 重慈1 (1.福岡教育大学)

キーワード:夏休み子ども科学電話相談

NHKラジオ番組の夏休み子ども科学電話相談は,児童生徒にとって,自らの疑問の答えや夏休みの自由研究のヒントを得るための貴重な手段として位置付けられる。インターネットが普及し,検索によってある程度解決できるようになった現在でも,放送期間には毎日多数の申込があるとされている。
 本報告では,この番組で放送された内容をもとに,傾向把握を目指し,子どもたちが科学のどのような点(できる限り地学分野に焦点をあて)に興味を持っているかについてあらためて,概観することとした。放送される質問内容は,放送局が決定するため,ある意味でのフィルターがかかってはいるものの,傾向概略は見えるものとして調査を行った。子どもたちの質問内容だけでなく,回答する先生の対応の仕方なども,教員養成学部としては,関心事でもある。
 ここでは2015年,2016年の相談(放送分583件)を対象とした。質問内容を要約し書き起こした後,学年(年齢),性別,住む都道府県,質問分野などを抽出した。なお,相談内容の募集については,植物・動物・昆虫・天文宇宙・科学・恐竜・心と体・鳥・いのちの分野ごとになされている。質問件数は分野の多い順に「動物」「昆虫」「科学」「天文・宇宙」であり,教科では,「生物」内容が多いことが分かる。「動物」分野については,種類分類すると「ネコ」に関する質問が最多で,イヌ,イルカと続いた。また,男子は水中の生物,女子はほ乳類についての質問が多かった。「昆虫」分野については,「セミ」が最多で,アリ,カブトムシ,チョウ,カマキリ,クワガタムシの順となり,昆虫の捕獲や飼育時の疑問が中心で,形質や行動に関する質問もあった。「科学」分野については,物質の性質や反応についての質問が多く,「地球・気象」については24件(4%),「地震・津波」についてはわずか4件(0.7%)であった。
 本研究では,2015 年及び2016 年に放送された夏休み子ども科学電話相談の放送内容を調べ,児童生徒の科学に対する興味・関心について傾向を見ることができた。
なお,この報告は,共著者の野中氏の平成28年度福岡教育大学卒業研究の成果の一部です。また,この研究は,JSPS科研費基盤研究(C)(課題番号:16K00971)の一部を活用いたしました。記して感謝いたします。