JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] [JJ] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2017年5月20日(土) 09:00 〜 10:30 301A (国際会議場 3F)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

09:00 〜 09:15

[G04-01] 小学校における「地域の地質」への関心を高める実践事例

*横山 光1山中 大志1柳本 高秀2 (1.北翔大学、2.北海道立教育研究所附属理科教育センター)

キーワード:小学校理科、地域の地質、主体的な学習

小学校6年生理科の地質分野の学習において、地域の地質素材を活用した教育実践を行った。
 はじめに我々は、露頭観察をする前の事前学習に注目し、既習の知識を用いて、児童の探究心を高めた上で、学校の近くにある露頭を観察することを計画した。事前学習では、観察する予定の露頭写真を印刷したワークシートに児童の気付きを記入させ、そこから露頭観察時の目標を立てさせた。活動に際しては、教師の働きかけにより、既習事項を用いて思考させた。このことにより、大地の成り立ちについて知りたいという気持ちが高まり、児童は主体的に露頭におけて観察を行った。
 次に、地域で産出する岩石図鑑(岩石標本)を作成し、児童が自分でつくった岩石図鑑を利用して、学校周辺でみられる庭石や石碑の岩石や近所の露頭を観察するプログラムを実践した。地域の岩石を調べたり、標本をつくったりする学習や、既存の岩石標本を利用する学習は多数報告されている。しかし、児童が岩石標本を作成し、それを利用して地域の岩石や地質を調べる活動は、ほぼ見当たらない。この学習では、児童が地域の地質について高い関心を示した。
 いずれの実践も共通しているのは、児童が地質素材を観察するときに、自分の目で見て、自分で考えることを促していることである。教師は知識を教えるのではなく、観察する際の視点を伝えることが重要である。このような理科教育で一般的に言われている主体的な学習をサポートする授業の方法は、地域の地質を観察する学習でも応用できることが明らかになった。