JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG30] [EJ] 堆積・侵食・地形発達プロセスから読み取る地球表層環境変動

2017年5月24日(水) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:清家 弘治(東京大学大気海洋研究所)、高柳 栄子(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、成瀬 元(京都大学大学院理学研究科)、山口 直文(茨城大学 広域水圏環境科学教育研究センター)

[HCG30-P02] 津波実験堆積物のGPR(地中レーダ)三次元解析

*岡崎 浩子1吉井 匠2秋山 大地3 (1.千葉県立中央博物館地学研究科、2.(一財)電力中央研究所、3.東京大学大学院新領域創成科学研究科)

キーワード:津波堆積物、地中レーダ、実験

(一財)電力中央研究所の大型造波水路(長さ205m,幅60cm,深さ95cm)において津波堆積物実験が行われ(2016年3月1日),そこで形成された堆積物について高周波アンテナを用いた地中レーダ(Ground Penetrating Radar:GPR)探査を行ったので報告する.実験は水路に混合砂(中央粒径:約0.2mm)をしき,中央部に高さ20cmの砂丘をつくり汀線としている.津波(波高約80cm)は砂丘をこえて陸側に遡上し層厚が1-3cm程度の津波堆積物を堆積した.
 GPR探査は1.6GHzアンテナで砂丘前後の10m区間で行った.探査結果からは砂丘付近に凹地状反射面が,砂丘より陸側では緩やかに上に凸の平行する二層からなる反射面が認められた. この実験水路で行われた同条件の実験のCT測定結果とも整合する(吉井ほか,2016).
 また探査後の水路に平行なトレンチからは砂丘付近の凹地は津波が砂丘を越えてできた落掘と考えられた.また,遡上した津波堆積物は粒径の異なる二層(下部の細礫を含む粗粒砂層と上部の細粒砂層)からなり,これらの境界面が反射面となっていることが明らかになった.

吉井 匠・松山昌史・田中姿郎(2016)水理実験で形成された津波堆積物の堆積構造.JpGU2016. MIS11-P18