JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG30] [EJ] 堆積・侵食・地形発達プロセスから読み取る地球表層環境変動

2017年5月24日(水) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:清家 弘治(東京大学大気海洋研究所)、高柳 栄子(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、成瀬 元(京都大学大学院理学研究科)、山口 直文(茨城大学 広域水圏環境科学教育研究センター)

[HCG30-P04] 茨城県霞ヶ浦の過去約500年間の環境変遷

*井内 美郎1天野 敦子2 (1.早稲田大学人間科学学術院、2.国立研究開発法人産業技術総合研究所)

キーワード:霞ヶ浦、環境変遷史、堆積物

霞ケ浦の湖心域で採取した柱状試料について,粒度測定および全炭素・全窒素・全硫黄濃度測定を行い,霞ケ浦の水域環境変遷史を過去約500年間について検討した.年代指標として1783年(天明3年)噴出の浅間Aテフラおよび1707年(宝永4年)噴出の富士宝永テフラおよび補助的指標としてヤマトシジミ層準を用いた.粒度測定や元素分析の結果から,富士宝永テフラ降下時までに水域の閉鎖性がかなり進行し,浅間Aテフラ降下後に閉鎖性が急激に進行したことが明らかになった.従来の研究結果では,時間分解能が低かったため,浅間Aテフラ降下後に閉鎖性の進行は徐々に進行したと考えられていたが,今回の研究の結果,その変化は非常に急激であったことが明らかとなった.その原因として富士宝永や浅間A降下後に利根川流域でテフラ起源の砕屑物の供給量が増加し,霞ケ浦の外洋に近い湖尻域の埋め立てが急激に進行し,利根川筋・常陸利根川筋を通じた外洋との海水交換量が著しく減少したことが原因と考えられる.