JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG35] [JJ] 社会とともに地球環境問題の解決に取り組む超学際研究の未来

2017年5月22日(月) 15:30 〜 17:00 A07 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:近藤 康久(総合地球環境学研究所)、近藤 昭彦(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、木本 浩一(関西学院大学・共通教育センター)、手代木 功基(総合地球環境学研究所)、座長:近藤 康久(総合地球環境学研究所)

15:45 〜 16:00

[HCG35-02] 村人と砂漠化対処の技術をつくる

★招待講演

*TANAKA Ueru1 (1.総合地球環境学研究所)

キーワード:砂漠化、暮らしの向上、砂漠化対処、「ヒト対自然」を超える技術論、人びととつくる

人口増加と人間活動の拡大により、土壌資源や生態環境への負荷が増大している。それは、乾燥地や山間部あるいは斜面地などのマージナルな土地へと向かいつつある。この発表の対象地域であるアフリカの半乾燥地は、その典型的な地域であり、土地荒廃と貧困が不可分に連鎖する砂漠化の最前線である。国連砂漠化対処条約(UNCCD、1994)に見るように、砂漠化は国際社会が取り組むべき課題である。
西アフリカサヘル地域は、砂質土壌が広く分布し、変動の大きい降雨条件のもとで、人間活動に対して脆弱である。土地荒廃は、風および水による土壌侵食、肥沃度の低下、植生の消失という形であらわれ、その主たる原因は、居住、薪炭材の採集、牧畜、農耕など暮らしを支える生業活動である。この事実は、砂漠化対処の困難性を意味している。
砂漠化地域の人びととともに、アフリカ半乾燥地の脆弱環境において、砂漠化対処と暮らしの向上の両方を成立させる農業生態系管理に向けたの実効ある技術を形成した。その幾つかは、「耕地内休閑システム」や「アンドロポゴンの草列」である。このような技術の形成は、従来あるような「ヒト対自然」という二項対立ではなく「ヒトも自然も」という 認識と方法論に立つものである。