JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG37] [JJ] 熊本地震から学ぶ活断層と地震防災

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:鈴木 康弘(名古屋大学)、藤原 広行(防災科学技術研究所)、久田 嘉章(工学院大学建築学部)、釜井 俊孝(京都大学防災研究所)

[HCG37-P02] 8Kスーパーハイビジョンの防災、地球科学への活用:2016年熊本地震からの報告

*山口 勝1 (1.NHK 日本放送協会 放送文化研究所)

キーワード:活断層、8K スーパーハイビジョン、リモートセンシング、メディア、NHK、災害

NHK(日本放送協会)は、世界に先駆けて2016年8月、4K/8K・SHVの試験放送を開始した。本発表は、現行のハイビジョン(2K)の16倍の高精細さを持つ8K技術が、放送だけでなく災害や地球科学の研究にも有効であることを、リモートセンシングや空間情報の面から明らかにする。
NHKは、熊本地震の発生直後に、小型の8Kカメラ(2kg)を使い、大きな被害を受けた活断層沿いの空撮を行った。その映像を活断層の研究者が解析した結果、それまで未発見だった断層や亀裂が発見され、その成果は、NHKの番組で報告された。8K映像が初めて、災害分析に活用されメディアの世界で活用されたのである。
 8Kカメラは、数センチの亀裂を高度400mから捉え、空中写真よりも“高精細”で、4Kドローンの映像よりも“広画角”である。亀裂は、地滑りや堤防決壊など、さまざまな災害の芽であるため様々な防災・減災活用が期待される。一人ひとりの“動き”が分かる8K映像は、人命救助や捜索、一時的にできた避難所や車中泊の発見にも有効である。また、8K空撮は“斜め映像”なので縦方向の情報も得られるため、家屋倒壊状況調査も簡易化でき、映像データを3Dモデルや災害支援地図づくりに活用することも可能である。
参考文献:「8Kスーパーハイビジョンの防災活用の可能性」放送研究と調査2017年
http://www.nhk.or.jp/bunken/research/domestic/20170101_07.html