[HDS15-P02] 第二渥美海丘西斜面の海底地すべりの高解像度浅部地下構造探査
キーワード:深海曳航式サブボトムプロファイラー、地すべり、南海トラフ、外縁隆起帯
海底地すべりは規模が大きい場合には沿岸域に被害を及ぼす津波を発生することがあり,海域のジオハザードの1つとして注目されている.南海トラフ域は小規模な地すべり地形が多いが,第二渥美海丘には東西約7 km,南北約10 kmの比較的大きな地すべりが発達する.この地すべりを横断する反射法地震探査記録によると,メタンハイドレートBSRと地すべり層は大きな深度の差があり,メタンハイドレート下底面に沿った地すべりではないとしている(長久保ほか,2009,地学雑誌).白鳳丸KH-15-2航海では,無人探査機NSSを用いた深海曳航式のサブボトムプロファイラー(以下SBP)により,地すべりにともなう海底表層の詳細な堆積構造,変形構造を捉えることができた.
研究対象の地すべりは,第二渥美海丘の西側斜面に,西方向に開いた馬蹄形をしており,SBP探査は東西方向に1本行った.大きな滑落崖は水深1240〜1440m(落差200 m)と水深1580〜1710m(落差130m)に発達する.両方の滑落崖とも,その上部斜面には正断層が複数は見られ崩壊にともなう伸長変形を示唆する.一方,滑落崖の下部斜面には緩やかな起伏が発達し,地すべり体の移動による圧縮変形を受けているとみられる.また,下位層から上方へ伸びる透明部が所々に発達する.本調査域の7 km西方の海丘北西部の海底表層探査によると,同様の透明層の報告があり,被覆層下の地すべりブロックと解釈されている(志村ほか,2016,;鈴木ほか,2016, JpGU abstract).本調査域では,末端部の安乗口海底谷の谷底は平滑で地すべり由来の物質供給の証拠は認められないが,下流部には地すべりブロックが薄い表層堆積層下に見られる.海底面は圧縮変形や地すべりブロックによる凹凸があるが,それを埋める厚い被覆層が認められないことから,地すべりは最近のものであると推定される.
研究対象の地すべりは,第二渥美海丘の西側斜面に,西方向に開いた馬蹄形をしており,SBP探査は東西方向に1本行った.大きな滑落崖は水深1240〜1440m(落差200 m)と水深1580〜1710m(落差130m)に発達する.両方の滑落崖とも,その上部斜面には正断層が複数は見られ崩壊にともなう伸長変形を示唆する.一方,滑落崖の下部斜面には緩やかな起伏が発達し,地すべり体の移動による圧縮変形を受けているとみられる.また,下位層から上方へ伸びる透明部が所々に発達する.本調査域の7 km西方の海丘北西部の海底表層探査によると,同様の透明層の報告があり,被覆層下の地すべりブロックと解釈されている(志村ほか,2016,;鈴木ほか,2016, JpGU abstract).本調査域では,末端部の安乗口海底谷の谷底は平滑で地すべり由来の物質供給の証拠は認められないが,下流部には地すべりブロックが薄い表層堆積層下に見られる.海底面は圧縮変形や地すべりブロックによる凹凸があるが,それを埋める厚い被覆層が認められないことから,地すべりは最近のものであると推定される.