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[HGM04-07] 表層崩壊が水路頭の移動に及ぼす影響―広島県広島市および山口県防府市の事例―
キーワード:丘陵斜面、谷頭凹地、微地形、湧水
広島県広島市安佐南区および山口県防府市では,近年豪雨に伴って表層崩壊が多発した.これらの地域において豪雨前後の1 m解像度のDEMを用いた地形解析と現地調査を行い,豪雨による水路頭(channel heads)の時間的変化を検討した.両地域において,豪雨後に伴う水路頭の上流側への移動や新しい水路頭の形成を確認した.豪雨前の水路頭では集水面積と斜面勾配との間に相関関係がみられなかった.一方,豪雨後に表層崩壊を伴って新しく形成された水路頭では,集水面積が小さくなるほど斜面勾配が大きくなるという強い負の相関関係がみられた.豪雨に伴う水路の形成には,地形的集水性の効果が発揮されると考えられる.一方,豪雨前に存在していた水路頭の多くは,地下水の流出が生じている湧水点と近接して存在していた.崩壊が発生しなかった水路頭の上方には谷頭凹地があり,さらに上方では過去のイベントによる崩壊跡が確認された.湧水を伴う水路頭の下流側では地表流による侵食により水路が継続的に維持されるが,湧水より上方では水路が堆積物により埋められることが推測される.