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[HSC07-03] 東北地方太平洋沖地震による三陸海岸での津波被害区分と地形・土地利用との関連
キーワード:津波被害、地形分類、土地利用
東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた津波によって、東北地方の太平洋沿岸では甚大な被害が発生した。先行研究として、小荒井ほか(2011、2014)は、津波浸水域を被害度によって区分し、それを地形分類、土地利用や浸水深と重ね合わせ、津波被害度と浸水深、地形や土地利用との関係性を解析している。しかし、その研究では砂浜海岸である仙台平野、石巻平野に限って解析しており、被害が甚大であったリアス式海岸の三陸沿岸については研究がなされていない。本研究では三陸沿岸において先行研究と同様の重ね合わせ解析を行い、砂浜海岸との比較を行った。
三陸海岸において被害が顕著だった16の地域を取り上げた。空中写真判読と現地調査により被害度区分と地形分類を行った。それらのデータと国土数値情報100mメッシュ土地利用データ、地震後の航空レーザ測量による詳細地形データ(DEM)、国土地理院計測の浸水深データなどと地理情報システムで重ね合わせ解析を行った。
解析した地域について、壊滅的被害域である流出域(Rank1)が内陸の奥まで認められる地域(陸前高田、大槌など)は、海岸線での浸水深は10m以上であったのに対し、被害度区分が内陸に行くほど明瞭に低下している地域(大船渡、釜石、宮古など)では、海岸線での浸水深は約8m前後であった。地域における被害の様相の違いについては、流入する波高が影響していると考えられる。
被害度ランク境界の海岸線からの距離については、多くの地域が海岸線から約500mの範囲が流出域(Rank1)となっているのに対し、壊滅的被害地域であった陸前高田などでは海岸線から約1~1.5kmまでが流出域(Rank1)となっている。仙台平野や石巻平野で認められた、海岸沿いの土地利用の違いにより後背地の被害状況に変化があったという傾向は、今回の地域では認められなかった。内陸に行くほど段階的に被害が軽減している地域については、人工的構造物の高まりや水路などによる被害度の軽減が認められた。また、被害度区分と浸水深との関係は、流出域(Rank1)と破壊域(Rank2)との境界では浸水深が約4m程度で、破壊域(Rank2)と浸水域(Rank3)の境界については浸水深約1.5m程度で、先行研究と同様の結果であった。
三陸海岸において被害が顕著だった16の地域を取り上げた。空中写真判読と現地調査により被害度区分と地形分類を行った。それらのデータと国土数値情報100mメッシュ土地利用データ、地震後の航空レーザ測量による詳細地形データ(DEM)、国土地理院計測の浸水深データなどと地理情報システムで重ね合わせ解析を行った。
解析した地域について、壊滅的被害域である流出域(Rank1)が内陸の奥まで認められる地域(陸前高田、大槌など)は、海岸線での浸水深は10m以上であったのに対し、被害度区分が内陸に行くほど明瞭に低下している地域(大船渡、釜石、宮古など)では、海岸線での浸水深は約8m前後であった。地域における被害の様相の違いについては、流入する波高が影響していると考えられる。
被害度ランク境界の海岸線からの距離については、多くの地域が海岸線から約500mの範囲が流出域(Rank1)となっているのに対し、壊滅的被害地域であった陸前高田などでは海岸線から約1~1.5kmまでが流出域(Rank1)となっている。仙台平野や石巻平野で認められた、海岸沿いの土地利用の違いにより後背地の被害状況に変化があったという傾向は、今回の地域では認められなかった。内陸に行くほど段階的に被害が軽減している地域については、人工的構造物の高まりや水路などによる被害度の軽減が認められた。また、被害度区分と浸水深との関係は、流出域(Rank1)と破壊域(Rank2)との境界では浸水深が約4m程度で、破壊域(Rank2)と浸水域(Rank3)の境界については浸水深約1.5m程度で、先行研究と同様の結果であった。