JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT19] [EE] GEOSCIENTIFIC APPLICATIONS OF HIGH-DEFINITION TOPOGRAPHY AND GEOPHYSICAL MEASUREMENTS

2017年5月23日(火) 13:45 〜 15:15 103 (国際会議場 1F)

コンビーナ:早川 裕弌(東京大学空間情報科学研究センター)、佐藤 浩(日本大学文理学部)、楠本 成寿(富山大学大学院理工学研究部(理学))、内山 庄一郎(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、座長:早川 裕弌(東京大学空間情報科学研究センター)、座長:佐藤 浩(日本大学文理学部)、座長:内山 庄一郎(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、座長:楠本 成寿(富山大学大学院理工学研究部(理学))

14:45 〜 15:00

[HTT19-04] 阿蘇地域における斜面崩壊の時系列解析

*羽田 康孝1小口 高2早川 裕弌2齋藤 仁3 (1.東京大学大学院新領域創成科学研究科、2.東京大学空間情報科学研究センター、3.関東学院大学 経済学部)

キーワード:The 2016 Kumamoto Earthquake, Terrestrial laser scanning, Point clouds, High-definition topographical data, Landslides, Time series analysis

2016年熊本地震によって,熊本県阿蘇地域では多数の斜面崩壊が発生した。地上レーザ測量を用いて阿蘇市の仙酔峡で地震前後の斜面形状を取得し,標高の変化量に着目して、点群や縦断面に基づく解析を行った。この結果,過去の豪雨による崩壊地においても、今回の地震による新たな崩壊が発生したことが明らかとなった。崩壊深は約6 mで,これは豪雨による過去の斜面崩壊よりも深い傾向があることがわかった。縦断面の形状については,豪雨による崩壊が直線的であるのに対し,今回の崩壊はやや湾曲しており,従来と異なるすべり面,崩壊様式で生じた可能性が示唆される。また,地震後約半年の間にも,崩壊地周辺の尾根付近,崩壊地の中腹,崩壊地下部の谷底付近でも変化が生じており,崩壊の残土が下流へ流出したことが考えられる。こうした二次的な土砂移動は,2016年6月の比較的強い降雨と関連している可能性がある。