JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT23] [JJ] 環境トレーサビリティー手法の開発と適用

2017年5月23日(火) 09:00 〜 10:30 106 (国際会議場 1F)

コンビーナ:陀安 一郎(総合地球環境学研究所)、中野 孝教(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所)、木庭 啓介(京都大学生態学研究センター)、座長:中野 孝教(総合地球環境学研究所)

10:15 〜 10:30

[HTT23-06] 市民参加による多元素同位体景観マッピングのための情報可視化手法の検討

*近藤 康久1熊澤 輝一1陀安 一郎1中野 孝教1,2,3 (1.総合地球環境学研究所、2.香川大学、3.早稲田大学)

キーワード:多元素同位体景観、情報可視化、オントロジー工学、参加型GIS、空間主成分分析、市民科学

地域において持続的な環境モニタリングを行なうためには、研究者が行政・NPO・住民等のアクターと協働する体制を構築する必要がある。その際には、アクターごとに問題意識や価値観、インセンティブが異なるため、共通の上位目標としてのバウンダリオブジェクトを設定する必要がある。
水質モニタリングにおいては、湧水マップ・名水マップなどの地図を研究者が市民と協働で制作することが、バウンダリオブジェクトになりうると期待される。その際、研究者は多元素同位体景観(multi-isoscape)のような新しい科学知をインプットし、それを地域の地下水の特徴など、市民の持つ在来-伝統知と照らし合わせ、相互に学び合うことによって、モニタリングを継続的に実施するためのコミュニティーを形成することができる。
このような市民参加型科学(participatory citizen science)を実現するために、研究者が提供できる手法として、オントロジー工学に基づく語彙体系の可視化と、参加型GIS(地理情報システム)を提案する。本発表では、それらの有効性を、前者は市民セミナーの講演録に基づく研究者の知識体系の可視化、後者は福井県大野市の地下水の多元素測定結果の空間主成分分析の事例から具体的に検討した結果を報告する。