JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT25] [JJ] 地理情報システムと地図・空間表現

2017年5月20日(土) 09:00 〜 10:30 106 (国際会議場 1F)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、吉川 眞(大阪工業大学工学部)、鈴木 厚志(立正大学地球環境科学部)、座長:吉川 眞(大阪工業大学)、座長:小荒井 衛(茨城大学)

09:15 〜 09:30

[HTT25-02] ドローンを用いた空中写真の取得及び高解像度オルソ画像出力による土地利用・土地被覆マッピングへの転用

*飯塚 浩太郎1伊藤 雅之1渡辺 一生2塩寺 さとみ1 (1.京都大学 東南アジア研究所、2.総合地球環境学研究所)

キーワード:ドローン、写真測量、土地利用、画像分類、リモートセンシング、ランドスケープ

衛星画像などのリモートセンシングデータを用いた土地利用・土地被覆のマッピングは、土地利用計画から環境解析にいたるまで多くの分野で対象地域の現状を把握するのに用いられている手法である。近年では高解像度かつ観測周期も数日とモニタリングの観点からは非常に重要性の高い衛星データも出てきており、汎用性は高いと思われる。しかしながら、雲による影響などは、宇宙からの観測であるゆえに避けられない障壁であり、対象エリアの観測データが長期間欠測するような場合もしばしば見られ、特に熱帯地域などでより顕著に生じる。近年の小型無人航空機(以下ドローン)の登場とその急速な技術の進歩により、リモートセンシング的手法による環境観測のための用途としての活用機会が増えつつある。短時間かつ広域の撮影による現地観測を可能にしたことにより、観測現場の情報を簡便に取得することが可能になった。雲より低い高度も飛行するため、雲被覆による影響も受けにくいという利点も有する。

本研究は、雲などの影響により取得できる光学衛星データが制限されるインドネシアを対象地域として、ドローンの利用による広域の空中写真の撮影を行った。取得した数百枚の写真をStructure from Motion (SfM)の手法を用いて解析し、超高解像度オルソモザイク画像の作成を行った。作成されたカラー画像を分解してRGBバンド別の画像に変換した上で従来型の画像分類による土地利用・土地被覆図の作成の可能性を実施した。定義されたトレーニングデータを用いてMultilayer Perceptronニューラルネットワークによる画像分類を行い、セグメント化することにより、細かいピクセルを散在させることなく、連続性のあるまとまった土地利用・土地被覆図を出力でき、衛星データのみでは取得することができない解像度約5 cmの画像から地図を製作することができた。短期間の現地観測により詳細な現地の空間情報の把握が可能になり、土地利用や土地被覆解析を活用した環境修復などに活用できる可能性について発表する。