11:30 〜 11:45
[HTT25-10] 経路選択特性にもとづいた都市空間イメージ構成要素の抽出
キーワード:経路選択、ランドマーク、空間情報技術
わが国では、高度経済成長を通して鉄道や航空機等の公共交通機関の整備が著しく発達した。近年では、まちづくりの方向性のひとつとしてコンパクトシティが掲げられており、公共交通機関を含んだ都市機能の集約化を目指している。一方で、経済発展を重視した商業施設の増加にともなう都市の拡大により、大都市圏では都市構造が複雑となっている。このように、現代の都市空間において、公共交通機関の整備が進行していることや継時的に都市が開発されることによって、歩行者が初めて訪れる場所や不慣れな場所に訪れる機会が増加している。このような場所において、歩行者が現在いる地点から別の地点にある目的地へ向かう際には、さまざまなアプローチ方法を用いることが考えられる。都市空間の中で、どのような要素が移動時の目印として利用されるのかを把握することができれば、さらに、都市空間のなかに、目印として利用できる要素が適切な量および間隔で存在していれば、歩行者の経路探索は容易になり、迷いにくく、わかりやすい都市をデザインすることにつながるだろう。
本研究では、歩行者が利用する公共交通機関および経路を調査および分析することによって、使いやすさやわかりやすさ等を考慮した経路選択特性を明らかにすること、ここで得られた経路選択特性から歩行者が目印として設定する要素の特性を明らかにすることを目的としている。経路を決定する際には、距離や街路環境、歩行環境、現在地点と目的地点の位置関係、わかりやすさなど、さまざまな要素が考慮される。さらに、一人の人間が同一の出発地点から目的地へ向かう場合でも、毎回同じ経路が選択されるとは限らない。その日の歩行環境や気分等によって、移動する経路を変更する可能性がある。このように、新規来街者と高頻度来街者では、目印として利用する要素の差異がみられる。そのため、新規来街者と高頻度来街者に分けて集計および分析をおこなう。研究の対象である、認知地図や空間把握の概念についての詳細な説明をおこなった。さらに、都市空間を移動する際にしばしば発生する現象として、迷いについて既存の研究から把握できる事象をまとめた。
まず、対象地区に初めて訪れる人や過去にほとんど訪れたことがないような人を新規来街者として調査をおこなった。新規来街者の都市空間に対するイメージを詳細に把握するためインタビュー調査をおこない、GISを用いて分析をおこなう。新規来街者のもつ目印を把握し、見える範囲やそれぞれの地物の位置関係との関係に着目した分析をおこなう。その結果、新規来街者の利用する目印の特性を把握し、今後にわかりやすい都市を形成する上で重要なランドマークを形作る際に用いることができる要素の特性として、外観の想像の容易さ、より広い範囲から見ることのできる大きさを有していること、曲がり角を把握するために必要な場所に位置していることなどを明らかにした。
つぎに、高頻度来街者を対象にした調査をおこなった。高頻度来街者の空間に対するイメージを把握するためにアンケート調査をおこない、高頻度来街者が目印として設定する要素の特性を明らかにするとともに、新規来街者にはみられない、高頻度来街者に固有にみられるいった特性をもった目印とその特性を把握および分析をおこなった。さらに、高頻度来街者の利用する経路を詳細に把握し、来街者の往路や復路に関して、調査をおこなった。その結果、高頻度来街者は往路や復路においてそれぞれ異なった経路をとることが多く、その割合も高い。また、経路選択理由を同時に把握することで、どのような理由からどのような経路を選択しているのかを明らかにした。また、これらの経路から、高頻度来街者が無意識のうちに利用しているような目印について分析をおこなうための知見を得ることができた。
本研究では、新規来街者と高頻度来街者の着目する都市空間要素の差異に着目して、それぞれの人が利用する経路や目印を分析し、空間把握の特性を明らかにした。結果として、新規来街者および高頻度来街者の利用する目印の特徴を把握し、新規来街者に対して有効な目印としての役割を果たす可能性があるランドマークについて示した。さらに、高頻度来街者が利用する目印と経路を把握したことにより、経路探索を容易にするために設置するべき目印の位置について提案をおこなった。
本研究では、歩行者が利用する公共交通機関および経路を調査および分析することによって、使いやすさやわかりやすさ等を考慮した経路選択特性を明らかにすること、ここで得られた経路選択特性から歩行者が目印として設定する要素の特性を明らかにすることを目的としている。経路を決定する際には、距離や街路環境、歩行環境、現在地点と目的地点の位置関係、わかりやすさなど、さまざまな要素が考慮される。さらに、一人の人間が同一の出発地点から目的地へ向かう場合でも、毎回同じ経路が選択されるとは限らない。その日の歩行環境や気分等によって、移動する経路を変更する可能性がある。このように、新規来街者と高頻度来街者では、目印として利用する要素の差異がみられる。そのため、新規来街者と高頻度来街者に分けて集計および分析をおこなう。研究の対象である、認知地図や空間把握の概念についての詳細な説明をおこなった。さらに、都市空間を移動する際にしばしば発生する現象として、迷いについて既存の研究から把握できる事象をまとめた。
まず、対象地区に初めて訪れる人や過去にほとんど訪れたことがないような人を新規来街者として調査をおこなった。新規来街者の都市空間に対するイメージを詳細に把握するためインタビュー調査をおこない、GISを用いて分析をおこなう。新規来街者のもつ目印を把握し、見える範囲やそれぞれの地物の位置関係との関係に着目した分析をおこなう。その結果、新規来街者の利用する目印の特性を把握し、今後にわかりやすい都市を形成する上で重要なランドマークを形作る際に用いることができる要素の特性として、外観の想像の容易さ、より広い範囲から見ることのできる大きさを有していること、曲がり角を把握するために必要な場所に位置していることなどを明らかにした。
つぎに、高頻度来街者を対象にした調査をおこなった。高頻度来街者の空間に対するイメージを把握するためにアンケート調査をおこない、高頻度来街者が目印として設定する要素の特性を明らかにするとともに、新規来街者にはみられない、高頻度来街者に固有にみられるいった特性をもった目印とその特性を把握および分析をおこなった。さらに、高頻度来街者の利用する経路を詳細に把握し、来街者の往路や復路に関して、調査をおこなった。その結果、高頻度来街者は往路や復路においてそれぞれ異なった経路をとることが多く、その割合も高い。また、経路選択理由を同時に把握することで、どのような理由からどのような経路を選択しているのかを明らかにした。また、これらの経路から、高頻度来街者が無意識のうちに利用しているような目印について分析をおこなうための知見を得ることができた。
本研究では、新規来街者と高頻度来街者の着目する都市空間要素の差異に着目して、それぞれの人が利用する経路や目印を分析し、空間把握の特性を明らかにした。結果として、新規来街者および高頻度来街者の利用する目印の特徴を把握し、新規来街者に対して有効な目印としての役割を果たす可能性があるランドマークについて示した。さらに、高頻度来街者が利用する目印と経路を把握したことにより、経路探索を容易にするために設置するべき目印の位置について提案をおこなった。