JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT26] [JJ] 浅層物理探査

2017年5月24日(水) 13:45 〜 15:15 105 (国際会議場 1F)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、高橋 亨(公益財団法人深田地質研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)、座長:高橋 亨(公益財団法人深田地質研究所)、座長:青池 邦夫(応用地質株式会社)、座長:井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)

14:30 〜 14:45

[HTT26-04] 施工中道路の路床内埋積巨礫検出を目的とした稠密 GPR探査

*青池 邦夫1木佐貫 寛2小河原 敬徳2稲崎 富士2 (1.応用地質株式会社、2.国立研究開発法人 土木研究所)

キーワード:道路物探、GPR、路床、巨礫

施工中の道路工事現場において,路床内に埋積された規格外の巨礫の検出を目的として稠密GPR探査を実施した.路床内の埋積巨礫は転圧不良により表層舗装面の起伏発生,車両走行性の低下を招く可能性があり,事前に除去する必要がある.そこで巨礫埋積が想定された,延長540 m,道路幅20 m の区間で直営でGPR探査を実施した.探査は2名2班に分かれ,VRS RTK-GNSS測位システムを装備した同一性能のGPR装置を用いた.現地一次調査は3日,取得データを引き続き2日で処理し,合計で148箇所で異常信号を抽出した.その処理結果に基づき,2次調査として異常信号観測箇所の再確認・精密測位を行なった.異常信号観測・再確認箇所は直ちに掘り返され,巨礫の埋積の有無が確認された.この2次調査・埋積巨礫確認に要した日数は1.5日であった.その結果,148箇所中146箇所において,20cmから100cmサイズの巨礫の埋積が確認された.この極めて高率での抽出を可能にしたのは,水平位置誤差2cmを達成したVRS RTK-GNSSによる精密測位と,GPR反射信号パターンに対する識別基準の策定と,それに基づいた客観的な抽出作業である.実際この策定した識別基準は極めて有効であり,金属片などの巨礫以外の埋積物の識別に役立った.本探査では,集中的な探査解析によって実質6.5日で調査から巨礫掘り起しまでを終わらせることができ,道路工事の遅滞を最小限にとどめることに貢献できた.