15:45 〜 16:00
[HTT26-08] 大型降雨実験装置を用いた盛土中の水分の電気探査モニタリング
キーワード:電気探査モニタリング、比抵抗、含水率、大型降雨実験施設、斜面災害
斜面災害の防災の観点から、斜面内に浸透した水分の時間変化を空間的に把握することが重要とされている。本研究では、防災科学技術研究所の大型降雨実験施設内に作成された盛土において、2011年2月から約1か月おきに比抵抗法電気探査の繰り返し測定を行ってきた。盛土の斜面を横切るように18mの電気探査測線を設置し、0.5m間隔に37本の電極を常設した。この測線に沿って、5箇所で浅部の体積含水率や温度が計測されている。盛土は通常は屋外にあり、自然の気象下での観測が行われている。電気探査の繰り返し測定から、短期の比抵抗変化は雨によって起きる含水状態の変化に対応することが明らかになった。
我々は、降雨による比抵抗変化を詳細に調べるため、大型降雨実験装置を用いて、降雨の強度や量を制御した人工降雨を盛土に降らせる実験を実施し、その間の地下の比抵抗変化を連続的に観測した。この実験は、2013年から2015年まで毎年約1ヶ月間実施された。比抵抗構造の解析には多くの電極組み合わせによる測定が必要なため、普通の電気探査装置では、短い継続時間の強い降雨では、正確に比抵抗構造の変化を求めることは難しい。そこで、人工降雨時およびその前後はa=0.5mおよびa=1mのウェンナー配置の測定だけを5分おきに行った。そこで、2012年から2014年の測定では、a=0.5mと1mのウェンナー配置だけの測定を行った。得られた見掛比抵抗の変化と土壌水分の変化も類似しており、特に降雨強度の強い場合には両者の変化はほぼ同時に起こることから、比抵抗によって盛土中の体積含水率の急な変化が把握できることが示された。
2015年の実験では、 高速な電気探査計測が可能な装置を用いた比抵抗モニタリングを試みた。この装置は、送信24ch、受信24chの合計576組の電極組み合わせのデータを10秒程度で取得できる。人工降雨の期間中、土壌水分の観測とともに1分あるいは2分間隔で比抵抗モニタリングを実施し、2次元解析によって盛土内の一連の比抵抗断面を求めた。その結果、高速電気探査モニタリングは短時間降雨によって起こる土壌水分変化をリアルタイムで観察する有効な手法であることが確認できた。
我々は、降雨による比抵抗変化を詳細に調べるため、大型降雨実験装置を用いて、降雨の強度や量を制御した人工降雨を盛土に降らせる実験を実施し、その間の地下の比抵抗変化を連続的に観測した。この実験は、2013年から2015年まで毎年約1ヶ月間実施された。比抵抗構造の解析には多くの電極組み合わせによる測定が必要なため、普通の電気探査装置では、短い継続時間の強い降雨では、正確に比抵抗構造の変化を求めることは難しい。そこで、人工降雨時およびその前後はa=0.5mおよびa=1mのウェンナー配置の測定だけを5分おきに行った。そこで、2012年から2014年の測定では、a=0.5mと1mのウェンナー配置だけの測定を行った。得られた見掛比抵抗の変化と土壌水分の変化も類似しており、特に降雨強度の強い場合には両者の変化はほぼ同時に起こることから、比抵抗によって盛土中の体積含水率の急な変化が把握できることが示された。
2015年の実験では、 高速な電気探査計測が可能な装置を用いた比抵抗モニタリングを試みた。この装置は、送信24ch、受信24chの合計576組の電極組み合わせのデータを10秒程度で取得できる。人工降雨の期間中、土壌水分の観測とともに1分あるいは2分間隔で比抵抗モニタリングを実施し、2次元解析によって盛土内の一連の比抵抗断面を求めた。その結果、高速電気探査モニタリングは短時間降雨によって起こる土壌水分変化をリアルタイムで観察する有効な手法であることが確認できた。