JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT26] [JJ] 浅層物理探査

2017年5月24日(水) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、高橋 亨(公益財団法人深田地質研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)

[HTT26-P09] 2011年東北地方太平洋沖地震による液状化被害地における表面波探査 -千葉県香取郡神崎町の例-

*横田 俊之1 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所)

キーワード:表面波探査、2011年東北地方太平洋沖地震、液状化、旧河川

2011年東北地方太平洋沖地震によって利根川下流域では甚大な液状化被害が生じた。被害発生域の多くは,比較的近年まで存在した水域が埋め立てられた地域に存在する。本研究の調査地域である千葉県香取郡神崎町向野・神崎神宿地区では,1987年の千葉県東方沖地震の際にも液状化が見られた(風岡,2003)。2011年東北地方太平洋沖地震の際にもほぼ同様な位置で液状化が発生しており,その原因の一つとして,1963年に埋め立てられた古利根川の旧河道への浚渫砂層の存在が考えられる。
 本研究では,神崎町向野・神崎神宿地区の4本の測線,GS13_KZM1(500m),GS13_KZM2(300m),GS13_KZM3(500m),GS13_KZM4(600m)で表面波探査を実施した。データ取得には,1m間隔のP-SV波用ランドストリーマーを用いた。用いた受振器の中心周波数は,4.5Hz,発震点間隔は2mとし,最大オフセットは96mとした。
 取得されたデータを,林ほか(2001)の共通中央点ギャザーを用いる方法(CMPCC法)により編集し,地盤が一次元構造(水平成層構造)であるという仮定を基本とした疑似的な二次元解析を行った。取得されたデータに逆分散性の特徴が見られたため,逆解析時には高次モードを考慮に入れたインバージョンを行った。
 得られたS波速度構造のうち,GS13_KZM3のものを示す。この測線は古利根川の旧河道を横切る測線であり,測線の約100~300mの区間を旧河道が横切ると考えられる。解析結果を見ると,0~100mの区間では浅部にVsが100m/s未満の低速度の領域が見られる。この低速度層はシルト質の土壌が堆積していると解釈され,ボーリング結果と一致する。旧河川に相当する区間ではVsが約140~170m/sの向斜構造が見られ,その下にVsが100m/s未満の向斜構造が見られる。この構造は,旧河川の構造の内部が浚渫砂層で埋め立てられたと考えると最も理解しやすい。液状化という観点から考えると,均質な粒径を持つ浚渫砂層の下にシルト質の層があるため,水位が高水位に保たれやすく,しかも地震時の揺れが集中しやすい形状となっているため,再度地震が発生した場合にもこの領域は液状化が発生しやすいことが予想される。測線の約300~500m区間では,比較的平坦な何層かの互層構造が見られる。