JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT26] [JJ] 浅層物理探査

2017年5月24日(水) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:尾西 恭亮(国立研究開発法人土木研究所)、高橋 亨(公益財団法人深田地質研究所)、青池 邦夫(応用地質株式会社)、井上 敬資(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)

[HTT26-P11] トータルステーション連動型地中レーダによる樹木の根系調査

*青池 邦夫1高橋 一徳1芦葉 弥生1石澤 伸彰1 (1.応用地質株式会社)

キーワード:地中レーダ、トータルステーション、根系

樹木の根系分布を非破壊で正確に把握することは,樹木の保全や樹木の寝返りによる倒壊リスクを評価する上で重要である。著者らは水平根の分布状況を詳細に画像化するため,地中レーダ(GPR:Ground Penetrating Radar)を適用した.使用した測定システムは,アクティブターゲットをGPRアンテナ上装着し,自動追尾型トータルステーション(TS)のトラッキングによって得られた高精度位置データとGPR波形の関連づけが可能なカート型のGPRシステムである.GPRはスキャン速度が毎秒150回であるのに対し,TSのトラッキング速度は毎秒2.5回であるため,TSによる位置計測はGPRの波形取得と比較し,位置決定に有意に時間がかかっている。このため,走査速度によってはGPRアンテナの真の位置と計測されたTSによる位置の間に大きな誤差が生じてしまう。本システムでは走査速度と誤差の関係を実験により確認し,その誤差を補正するように改良している.本システムを表層条件の異なる3箇所の樹木に対して適用した.最初のケースはシラカシで表層はローム層である.2つ目のケースは,プラタナスで地表は簡易舗装され,舗装の下には礫層が分布している.3つ目のケースは,海岸の砂地に生育したクロマツである.いずれのケースも表層付近については、詳細な根系分布を可視化することができた.また,クロマツについては深度1m程度までの水平根の分布を詳細に把握することができた.