JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-AG 応用地球科学

[M-AG35] [EJ] 海洋地球インフォマティクス

2017年5月20日(土) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:坪井 誠司(海洋研究開発機構)、高橋 桂子(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、金尾 政紀(国立極地研究所)、Timothy Keith Ahern(Incorporated Research Institutions for Seismology)

[MAG35-P03] 商業利用のための大気海洋のオープンデータ

*Kakuta Shinya1西村 一1 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構)

キーワード:オープンデータ、商業利用、大気、海洋

公的研究機関により作成された大気海洋データの公開にあたり商業利用を認めるにはどのような利用規約のガイドラインが望ましいか考察した。
有料であっても利用したいという希望者がいるような研究データについては利用料の徴収が求められている場合があるが、知的財産権や課金についての専門家の支援なしでは、営利目的に対応した規約、体制、データ提供システム等を整備することが難しい。小野等(2016)が文部科学省関連の時限プロジェクトであるDIAS及びGRENE-eiの研究者コミュニティーに対して実施したアンケートによると、自分の作成したデータを任意の他者に提供する場合、提供者側が賛同できる条件として、クリエイティブコモンズ(CC)ライセンスの「CC 非営利」を選択した回答が31.6%であった。
殆どが学術的な研究データに関するものではないが広く採用されている利用規約としては、各府省等のホームページから自由にダウンロードできるデータの利用規約として政府標準利用規約(第2.0版)がある。同規約では、一定の条件下で「複製、公衆送信、翻訳・変形等の翻案等、自由に利用できます。商用利用も可能です」としている。しかし、同規約は、データの提供先や利用者に制限のあるデータや利用にあたり課金されるデータには採用されていない。なお、同規約はクリエイティブコモンズ(CC)ライセンスの「CC 表示(BY)」と互換性がある。ただし、CCライセンスは利用条件・免責・サポート条件等が絡むケースに必ずしも適していない。そこで、オープンソースコードの利用規約などソフトウェアのライセンスを参考にすべきとの意見もある。
簡素な例では、データ作成者(データの品質の問合せ先)=利用許諾者(ライセンサー)である。ライセンサーが個人か組織かについては、データ作成の関係者の合意するところによるが、特に個人の場合、個々の利用申請に対する許否の回答に時間がかかったり、そもそも拒否判断や回答に割く時間がなくなってしまうケースがあり得る。
他方、研究データには時限プロジェクトで作成されるものも多く、時限プロジェクトで作成されたデータであって、データ作成者が継続的に管理・公開することが難しい場合について、データ作成者は個人か組織か、利用許諾者(ライセンサー)はデータ作成者かデータの管理・公開に責任を負う部署かなど、データのオーナーシップについてのガイドラインを定める必要がある。
以上を考慮して、データの商業利用のためには、どのようなガイドラインが望ましいのかにつき討論したい。
小野 雅史、小池 敏雄、柴崎 亮介(2016)”地球環境情報分野における研究データ共有に関する意識調査 研究現場の実態”, 情報管理 vol. 59, no. 8, pp. 514-525